多趣味な男のブログ

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ときドルはなぜサービス終了してしまったのか

 タイトルの通り、今回は「ときめきアイドル」(通称ときドル)がなぜサービス終了(失敗)してしまったのかについて、経営学部生の僕が考えていこうと思います。

 

 企業が事業撤退する理由はシンプルです。見込んだ利益を上げることが出来ないからです。これは誰でも分かることですね。ときドルはサービス開始から一年足らずで撤退しているので、その判断は迅速です。

 大切なのは、なぜそうなったのかという原因です。その原因について考えていきます。

 

   そもそも「ときドル」ってなんだ?という方は、以前僕が書いた記事を読んで頂ければどんなものか分かると思います。

buluckbook.hatenablog.jp

 

ときドルの集金システム

 ときドルはよくある基本無料の課金制の集金システムでした。(現在もサービスは継続していますが、課金アイテムの販売は終了しているので過去形で書いていきます)

 基本無料の課金制ということは、ダウンロード時点では売上が発生せず、ユーザーの課金があって初めて売上が生じるということです。

 つまり、サービス開始後いかに魅力的なコンテンツを提供してユーザーに課金を促せるか、が重要となってきます。

 

 

 

 ときドルのキャラ絵

 スマホゲームにおける課金を促すための魅力とは、基本的にはガチャ産のキャラクターを指します。このガチャキャラが課金をしたいと思わせるほど魅力的かどうか、が売上に大きく関わってきます。ときドルもこの例に漏れません。

 

 それではまず、ときドルのガチャ産キャラを見てみましょう。

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 どうでしょうか、“普通に”可愛いですよね。問題なのは、ユーザーがこれらを課金に値すると判断するかどうか

 ユーザーが課金をする時、それは当然ながらそのキャラが欲しいと思った時です。そして、何がユーザーにそう思わせるのか。僕は、キャラ絵がそうだと思います。

 パズドラグラブルなどの強さが最重要視されるゲームでは違ってくるかもしれません。ですが、ときドルのようなキャラクター性の強いゲームでは、キャラのイラストが鍵になると考えています。視覚からの情報って強いんです。

 

 それを踏まえてもう一度上の画像を見てください。

 

 ときドルでは、イラストではなく3Dモデルがそのままキャラ絵となっています。これがサービス終了に関わる大きなポイントの一つだと、僕は考えています。

 3Dモデルのクオリティは高く、それ自体に問題はありません。ですが、それを見て課金をしようと思わせられるのか?

 勿論、3Dモデルを見て課金をする人もいるでしょう。ですが、多くの人はイラストを見て判断する傾向にあります。 少なくとも僕はイラスト派です。

 ここは議論が多いことと思いますが、個人的にはイラストを別途用意した方が良かったのではと思います。(その分費用はかさみますが、それ以上の課金を見込める可能性があると考えます)

 

 

 

ときドルの宣伝広告

 この記事を書こうと思った理由は、ときドルの宣伝広告に関して思うことがあったというのが大きいです。

 みなさん、「ときめきアイドル」という存在をいつ、どのように知りましたか?

  twitterでざっと見た感じだと、サービス終了告知時にトレンドに入っているのを見て「こんなゲームあったんだ」というような感じで知ったという方が多いように感じました。

  以前の記事でときドルの魅力について語った通り、ゲームとしての完成度は申し分ないんです。

過去記事:アイドルにときめけ! 「ときめきアイドル」 ときドルは永遠に…

 ですが、どんなに良い作品でもその存在を知られていなければ評価されることはありません

 この認知度に関わってくるのが宣伝広告です。

 宣伝広告といっても色々種類はありますが、どの形態でも目的は、存在を認知させてその商品を購入してもらうことです。ときドルが終了することになった最大の原因は、広告にあったのではないでしょうか。

 

 繰り返しになりますが、ときドルの存在をどのように知りましたか?

 僕は、声優の和久井優さんが出演しているという情報からときドルを知りました。それまでは存在すら知りませんでした。ですが、ときドルの場合、僕のように出演声優を通じて存在を知ったという方は少ないと思います。

 

 大変失礼な物言いになることを重々承知で言いますが、ときドルに出演されている声優は新人の方ばかりです。新人ということは声優自体のファンが少ないということで、声優経由でときドルに辿り着く人は多くないと思います。

 

 一方、ときドルと同じように新人声優の方を多く起用しながらも成功をおさめている「アイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージ」(以下デレステ)というゲームがあります。

 ときドルとデレステの違いは何か、それはブランド力です。

 デレステは、『アイドルマスター』という長年培ってきたブランド力のおかげで、最初からある一定数の固定ファンが存在しています。そのため、声優経由によるユーザー獲得を狙わなくても、十分にユーザー数を確保することができます。(ここで論じているのはあくまでマーケティング上での声優の持つ力であって、声優の演技力の話ではありません。新人声優もプロであることに変わりはありません)

 

 ときドルはそうもいきません。ときめきシリーズというブランドを持ってはいますが、近年そのブランド力は落ちています。ときドル以前の関連作品が2009年の「ときめきメモリアル4」で止まっているので当然です。

 おそらくですが、今の大学生以下の層はときめきメモリアルをプレイしたことはおろか、名前すら知らない可能性があります。それほどまでにブランド力は落ちてしまっているのです。大学生より上の層で有名だとしても、若者にプレイしてもらえなければ未来はありません。

 そのため、ときドルはほぼ1からユーザーを獲得していく必要があります。となると、様々なメディアに広告を載せて地道にユーザーを集めるいくほかなりません。

 

 しかし、現状はどうでしょうか。先に述べた通り、大学生以下の層におけるときドルの認知率は低いです。多くの人がその存在を知りません。僕自身、和久井優さんを通さなければ大多数の人と同じく、サービス終了告知時に初めて知ることとなっていたでしょう。

 そもそも、ときドルの広告は十分に行われていたのでしょうか? 僕の記憶の限りでは、ときドルの広告を目にした覚えがありません。

 ときドルは十分に人の目に晒されることなく舞台から去ろうとしているのです……

 

 twitter広告などよく目につく興味のない作品の広告は、得てして邪魔だとしか思いません。ですが、存在を知らしめるという点では意味があるのです。

 サブリミナル効果というのでしょうか。それとは少し違うかもしれませんが、何度も目にすることで無意識のうちにその存在を認知しています。それが必ずしもユーザー獲得に繋がるとは限りませんが、まずは知ってもらえなければ評価すらしてもらえません。

ときドルはそこで失敗してしまったのです。

 

 それ以外にスマホ向けゲームの環境に問題があったかもしれません。

 スマホ向けリズムゲームは数多く、激戦区です。そうした流れに乗ろうとしたのか定かではありませんが、ときドルの根幹的ゲームシステムをリズムゲームにしたことは失敗だったのかもしれません。ときめきメモリアルで培ったノウハウを活用して、ギャルゲー的要素をもっと多くしたリズムゲームにすれば差別化できたかもしれません。

 

 

 

不明瞭なターゲット層

 経営において「セグメント化」と「ターゲティング」というものがあります。

 セグメント化とは、市場のユーザーをいくつかのグループに細分化すること。ターゲティングとは、セグメント化したグループのどの層を顧客とするか決めることをいいます。

 ときドルがどの層を狙っているのか分からないのです。

 

 新人声優の起用や、流行のリズムゲームやアイドルなどの要素を取り入れている面からは若者を取り込もうとしている様に見えます。しかし、ゲーム内の各所にちりばめられているネタは、現代の若者が拾いきれるものではありません。コナミコマンドやらグラディウスやらツインビーやら悪魔城ドラキュラやら……

 これらのネタは今の若者には刺さりません。刺さるのは彼らのお父さん世代でしょうに。若者を取り込みたいのか、お父さん世代を取り込みたいのか分かりません。

  若者向けにしてはマニアックで古いネタだし、お父さん世代向けならリズムゲームはあまり受けないのではないでしょうか。どっちつかずが一番まずいです

 

 

ときめきアイドル改善案 

  • 新規ガチャキャラに2Dイラストを追加する
  • 少年誌、snsなどで多くの人、特に若者の目に触れるメディアで広告を打つ
  • ギャルゲー要素を加えて、他のリズムゲームと差別化を図る
  • ターゲット層を明確にする

 

 これが僕の考える最強のときドルです!

 

 

おわりに

 色々と書いてきましたが、広告の大切さに関してはKONAMIが理解していないはずがありません。それでいてこの結果ということは、KONAMIがときドルに対して予算をあまり出さなかったということかもしれません。当たればよし、外れたらしょうがなしという考えなのでしょうか。

 真意は分かりませんが、最後に一言。

 

ときドル forever

 

追記:アカデミック版の記事を書きました

 

buluckbook.hatenablog.jp