個人的三大がっかり作品その1「アクアマン」
今回は2019年2月までの作品で、個人的にがっかりしてしまった作品について書いていこうと思います。今回は作品のネタバレが含まれているのでご注意ください。
それと毎回のことですが、この記事で述べていることはすべて個人的な考えです。そのことを念頭に置きながら、ご自身の感想と照らし合わせて、これはそう思う、これは違うなど楽しみながら読んでもらえるとうれしいです。
書いていたら思ったより長くなりそうだったので、1作品毎に記事を分けて書きます。
アクアマン
最初に取り上げるのはDCコミック原作の「アクアマン」。この作品は『DCエクステンデッド・ユニバース』シリーズの6作品目の映画です。
『DCエクステンデッド・ユニバース』とは何かというと、スーパーマンやバットマンといったDCコミック原作の映画が同一の世界観の中で描かれる作品群のことです。スパイダーマンなどのマーベル作品とは違います。
Twitterなど各所で話題になっており、「映画.com」でも評価3.9(2019年2月26日現在)を獲得するなど評判は良い方です。アメコミ作品好きな僕は当然見に行きました。
結論から先に書いてしまうと微妙
100点満点で採点するならば67点
ここからはなぜ微妙という結論に至ったのか、その思考課程を述べていきます。
アクアマンの強さが感じられない
本作の主人公アクアマンは上の画像を見れば分かるとおり、ムキムキマッチョメンです。見るからに強そう。そして彼は「ジャスティスリーグ」で世界の危機を救った正真正銘のヒーロー。正直なところ「ジャスティスリーグ」ではアクアマンの強さがよく分からなかったので、アクアマンが主役の本作なら彼の強さがどんな物なのか分かることを期待して劇場に足を運びました。しかし、そうはなりませんでした。むしろ逆に「アクアマンって本当に強いのか?」と疑念を抱いてしまいました。
物語の始まりは、アクアマンが海賊に襲われているロシアの潜水艦を助けるところから。そこでアクアマンは、海賊がぶちぱなす銃弾をものともせず易々と海賊たちを力でねじ伏せていきます。グレネードランチャーを食らっても「痛ぇ」の一言。恐るべきパワー。あっという間に海賊を撃退したアクアマン。このシーンでまず、普通の人間とは比べものにならないほど強靱な体を持っていることが理解できました。今思えば、ここが彼の力を実感できる最初で最後のシーンだったのかもしれません。
その後いろいろあって海底にあるアトランティスへ侵入するアクアマン。異父兄弟でアトランティスの王オームに見つかり、アトランティスの精鋭部隊とバトルに。相手がパワードスーツに身を包んだ精鋭部隊だとしても、こちらはジャスティスリーグ所属のアクアマン。当然負ける訳がない。と思っていたら、アクアマンは精鋭部隊にあっさりとのされて王オームの元へ連行されます。(数の暴力で負けたならまだしも、精鋭部隊の隊長との一騎打ちで敗北)
そして次は、オームと王の座をかけた決闘。
途中まではほぼ互角に見える戦いを繰り広げるのですが、次第にアクアマンは防戦一方に。終いにはアクアマンの武器が真っ二つに折れ、オームがとどめを刺そうしたところにヒロインであるメラ王女がオームへと攻撃を仕掛け、アクアマンを連れてアトランティスを脱出します。メラが乱入しなければアクアマンは殺されていたでしょう。
この決闘でオームが何か卑怯な手を使った訳でもなく、シンプルにアクアマンは敗北しました。武器もお互いに特別な物を使っている訳でもありませんでした。物語終盤でトライデントと呼ばれる神話級の武器を手に入れたアクアマンは、オームと再び戦い勝利します。最終的に勝ったことには勝ったんですが、それでいいのかアクアマン……その勝利は完全に武器の性能のおかげな気がするんだが……
アクアマンは地上で生まれ育ち、海での戦闘に慣れていなかったというのが設定的にはあるのかも知れません。ですが作中でそのことに触れているのはほんのわずかで、戦闘方法も序盤と終盤で特に変わった様子は見受けられず成長した感がありませんでした。最後の戦闘は結局海上だったし。アクアマンなのに地上の方が強いらしい。それでいいのかアクアマン……
不憫なオーム王
先述のとおり、オームとアクアマンは異父兄弟。アクアマンは母アトランナが地上の男性と恋に落ちできた子。そしてオームは、政略結婚を拒み地上へ逃げたアトランナが連れ戻され、予定通り政略結婚をした結果生まれた子。
アトランナは国同士の約束を破った罰でトレンチと呼ばれる化け物たちの餌とされ処刑されてしまいます。そして父親から地上の人間は悪だと教え込まれたオームは、アクアマンが母が処刑されることとなった原因だと考え憎んでいます。
この時点では、オームが一方的にアクアマンを敵視しているだけなので特にオームに同情する余地はありません。
問題は決闘のシーンあたりから。
戦闘前にメラがオームに「母上は兄弟が殺し合うのはよくは思わない。それは母上の教えではない」と言うと「母が教えたのは裏切りだ」と返します。オームは母に裏切られたと感じているのです。
前述の通り、オームは決闘の最後、メラ王女に横槍を入れられて地面に叩きつけられます。そして決闘の場を去って行く二人の背を見ながらメラの名を叫びます。何を隠そう、メラとオームは許嫁の関係にあったのです。
母に裏切られ、許嫁にも裏切られる。しかも許嫁は兄に奪われる形に。かわいそうなオーム……
それに追い打ちをかけるかのように、次は腹心の部下バルコの裏切りが発覚します。バルコもアクアマン側についていました。
母に、許嫁に、部下に裏切られたオーム、不憫過ぎる……
こうした理由から最後にアクアマンが勝ってもなんだかスッキリしませんでした。オームも多少は悪さを働いたけどさ、いくら何でもかわいそうすぎるよ。
コスチュームがダサすぎる
とにかく全編通して敵味方問わずコスチュームがダサすぎる
ブラックマンタと呼ばれる敵が出てくるんですがこいつが本当にダサい。ダサすぎる。
マジでダサい。この画像はまだましに見えなくもないですが、本当にダサい。ダサい。これは皆が共通する意見だと思います。最初に見たとき、昔CMか何かで見た蚊の着ぐるみみたいなのを思い出しました。
ダサいのはこいつだけではありません。
母アトランナと再開したときの彼女の衣装。トライデントを手にした後のアクアマン。オーシャンマスターとなり仮面をつけたオーム。ほぼすべてがダサい。
上半身裸のアクアマンが一番かっこいい。
これは本質情報です。
総括
いろいろとがっかりポイントを書いてきましたが、無論良いシーンもありました。トレンチに襲われるシーンは緊迫感があり、本当に危険な状況だということが伝わってきました。あのシーンは本当にすごかった。あのシーンを見たとき、「トレマーズ」のキービジュアルを思い出しました。構図が似てる。
他にも地球のコアの景色。「センターオブジアース」のような秘境にたどり着いた冒険映画を見ている感覚に陥りました。
全体的な評価は良くないですが、場面場面で見れば良いシーンが多いです。見てない方は是非劇場へ足を運んでみてください。僕は字幕版、吹き替え版でそれぞれ1回ずつ見ました。普段は字幕で見るという方も今作は吹き替えがおすすめです。字幕より吹き替えの方がコミカルなシーンで笑えました。
次回予告
撃つ者と撃たれる者、それをただ見る者。
かつて王の力を得た少年は国を変え、姿を消した。
平和が破られた時、再び彼は姿を現す。
そして彼らは再び手を結んだ。
劇場で食うポップコーンは美味い。