ドラクエの皮を被った何か「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」
ドラクエユアストーリー、見てきました。
なかなかに衝撃的な作品でした。
ドラクエ5はプレイ済みです。
どんな映画なのか?
ゲームソフト「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」を原案とした映画作品です。
少年リュカは父パパスと旅を続けていた。その目的は、ゲマ率いる魔物たちに連れ去られた母を取り戻すこと。旅の途中、遂にゲマと遭遇し、魔物たちと激しい戦いを繰り広げるパパス。しかし一瞬のスキをつかれ、リュカが人質にとられてしまい、手出しができなくなったパパスは、リュカの目の前で無念の死を遂げる――
それから10年。故郷に戻ったリュカは「天空のつるぎと勇者を探し出せば、母を救うことができる」というパパスの日記を発見する。父の遺志を受け継ぎ、リュカは再び冒険の旅にでることに。立ちはだかるいくつもの試練、そしてビアンカとフローラ、2人の女性をめぐる究極の選択。果たして冒険の先に待ち受けるものとは!? [公式サイトより引用]
このように原作の物語に概ね忠実に話が進んでいきます。
確かに、『誰も知らないドラゴンクエスト』ではありましたね……
以下ネタバレを含みますので注意してください。
魔の10分間
映画サイトを覗いてみると、この映画の評価はとても低いです。どうやったらここまで低スコアになるのかと思うほど低いです。この映画の何が悪かったのかと言われたら、それは言わずもがな終盤の展開です。
終盤に至るまでは、所々気になる箇所はありましたがそこまでひどいと言うほどではありませんでした。個人的には、コミカルなシーンのノリが悪い意味で日本のドラマ風なことにうんざりしましたが。
元々の物語が濃密なため、それを二時間の映画に落とし込むため物語が端折られたり変更されたりされることは仕方のないことです。それでも重要なポイントはあらかた描写されていた様な気がします。一番の問題は終盤の展開、通称「魔の10分間」です。(僕が勝手に名付けました。正確に10分間だったかどうかは分かりません)「魔の10分間」がこの映画の評価を著しくおとしめているのです。
それでは一体何が起こったのかというと、これまで2時間近く見てきた物語は全てただの空想であると告げられたのです。これによって、これまで僕たち観客が見てきたものは「ドラクエ5を原案としたドラクエの映画」ではなく「ドラクエ5を原案としたVRゲームをプレイする青年のゲーム画面」だったということになったのです。……は?
そして物語のラスボスであるコンピュータウイルスが青年扮する主人公に「この世界は全て空想だ。大人になれ」と言い放ちます。ラスボスがコンピューターウイルスって……
その後、実はウイルスに対するアンチシステムであった仲間のスラりん(CV山寺宏一)が突然正体を明かしてウイルスを撃退します。それから平和になったゲームの世界で笑い合う主人公達の姿が写されてENDです。
一体俺たちは何を見せられていたんだ……ドラクエの映画を見に来たと思ったら、ドラクエのゲームをプレイする青年の物語を見せられて「大人になれ」って諭された…
正直このラストはないと思いました。全部ゲームの出来事で現実ではなかったって、それ夢オチと一緒だよ。その後に何かしら進展があるならまだしも、何もない。ただよく分からない事を言われてただ終わる。意味が分からない。観客はドラクエの映画を見に来たのであって、こんなものを期待していたわけではない。
おわりに
これがドラクエとは全く関係のない作品であったら、受け入れられたかもしれません。ただ、タイトルに「ドラゴンクエスト」としっかりと書かれている以上、僕はこの作品を受け入れることはできません。映像は素晴らしかったため非常に残念です。
この映画を見るなら、原作ソフトを購入してプレイすることを強くオススメします。今なら映画公開キャンペーンでスマホ版のドラクエ5が1200円で購入する事ができます(8月12日まで)。映画のチケット料金より安い!! これに限っては映画に感謝です。
映画を見た後すぐに購入しました。これで口直しをします。