多趣味な男のブログ

興味を持った色々なことについて書いていきます。

「WHITE ALBUM2」をクリアした。そして、泣いた。

WHITE ALBUM2」をクリアした。そして、泣いた。

f:id:buluck:20200307020934j:plain

最近再購入したWHITE ALBUM2 EXTENDED EDITION

 

 この「WHITE ALBUM2(以後、WA2)」という作品は、所謂名作である。この作品を一度でもプレイしたことがある人間なら異論はない…はずだ。そうでないなら、きっとその人にはツラすぎたのだろう。

 WA2は“愛”に溢れている。“愛”と一言に言っても、それには多様な形がある。親子間、友人間、仕事の間、そして男女の。そして、WA2にはその全ての愛が詰まっている。だからこそ、ツラい。

 今回はそんな「WHITE ALBUM2」について書こうと思う。これが人生初の18禁ゲームとなりました。

 

どんな作品なのか

 WA2はleafから発売されたwindows向け18禁恋愛アドベンチャーゲーム。後述する序章の発売から、今年で実に10年の月日が経とうとしている。

 元は18禁だが、後に全年齢版としてps3版とpavita版が発売されている。2013年にはTVアニメ化もされている。ちなみに私はTVアニメを見てWA2を知った。それからセット版を購入したが、つい最近にEXTENDED EDITIONも購入した。

 今TVアニメを見ようとすると、TSUTAYA DISCASバンダイチャンネルニコニコ動画でレンタルするか、円盤を買うかしかない。NetflixやAmazonPrime、dアニメストアなどのサイトでは配信されていない。残念だ。やった、dアニメストアで配信が開始された!!みなさん是非登録しましょう。月額500円で色んなアニメが見放題!

 ただ一話だけならニコニコ動画で無料で視聴出来る。

 WA2が何をして名作と称されているのか。それはシナリオだ。

 シナリオ担当は、丸戸史明 with 企画屋。近年のオタクには冴えない彼女の育てかたの原作者と言った方が分かりやすいかも知れない。恥ずかしながら、私は氏の生み出した物語はこの2作しか読んだことがない。そしてその2作にハマった。

 2作品しか知らない私が氏を語るのはおこがましいが、氏は「なんだかなぁ」という言葉がお気に入りなのかなと思った。WA2でも冴えカノでもよくヒロインが口にしているからという理由だが、割と出てくる言葉なので印象に残っている。あと、氏は多分M。

 全編通してプレイした私の中に「小木曽雪菜」という一人の”人間”が刻まれた。雪菜が好きでも嫌いでも否応なく心に残る存在となることだろう。それほどまでに彼女という存在は強かった。今まで様々な作品に触れてきたがこれほどまでの存在には出会ったことがなかった。彼女の存在なくしてWA2は語ることは出来ない。

 

心を抉るシナリオ

 ここからは若干のネタバレがあるので注意を。物語の核心にせまる内容には触れませんが、読むことでどんな雰囲気で進むのかが想像できてしまうかもしれません。

 

序章-Introdactory Chapter-

 WA2は「小木曽雪奈」と「冬馬かずさ」というダブルヒロインと主人公の関係を軸として物語が三章仕立てで展開していく。その3人の関係が、序章であるIntorodactory Chapterで構築される。

 2人の女と1人の男が学園祭のバンドという関係を経て惹かれあい、深く愛し合っていく。2人は1人を想い、1人は2人を想う。そこに優劣がない…わけではない。「卵が先か、鶏が先が」ではないが、互いに惹かれあった順番はある。だが、想いを口にして結ばれる順番もある。その両方が一致すれば良かったのだが、そうはならなかった。そして1人と結ばながらもう1人への想いを無かったことにできるほど想いは強くも弱くもなかった。そして主人公は間違った選択をし、3人の関係が、壊れる。

 ここに選択の余地はない。我々プレイヤーはそのボタンの掛け違いをただ眺めることしかできない。それを治せるのは当事者だけだと言わんばかりに。

 

 ここまでが序章だ。これだけでもゲーム1本として成立している。これだけではあまりにも救いがなさすぎるが、それでもって素晴らしい完成度だ。そして何より、歌がいい。シナリオとして歌が関わってくるのだが、その歌が物語に更なる深みを与えている。たぶんこの先主題歌を聞くだけでこの物語を思い出し、胸が締め付けられることだろう。


Closing Chapter

 高校を卒業し、大学に進学しても話は終わらない。3年が経っても3人の関係は元に戻ることはない。ここでは序章には出てこなかった新たな関係が生まれる。所謂サブヒロイン。だが、サブヒロインなれどどのルートも素晴らしく、プレイヤーの心を抉りにくる。どのヒロインを選ぼうと、ただ幸せになることは出来ない。必ず心が痛む。

 プレイヤーの立場としては他のヒロインルートに進むたびに、序章からのヒロインに申し訳が立たなくなる。「必ず幸せにしてやるからな…だから今だけは…」という思いでメインヒロインを裏切りサブを先に読み進めた。シナリオ的にはそれが正解だが、心が痛い。主人公の気持ちが分かってしまう。泣いた。

終章Coda

 大学を卒業して社会人となっても物語は終わらない。やはり過去と向き合わなければこの物語は終わらない。詳しくは語れないが、泣いた。とあるルートがツラすぎた。全てを裏切りながら、なぜか「ありがとう」という思いが湧き上がってきた。たぶんここまでプレイすれば何を言っている分かる。主人公が痛い目に合いながら何故か喜んでいる自分がいた。Mじゃない。でも嬉しかった。

 メインヒロインそれぞれのTrueエンドなるものが存在するが、どちらが正解なのか。これに正解はない、と思う。ただ高校からの7年の歴史を考えると、彼女のルートを最後にしたいという気持ちが強い。だって、今まであんなことをしてきたのだから…

 

攻略順

 WA2にはいくつかのルートが存在している。さらにミニノベルやボイスドラマ、エクストラエピソードなど付随する物語がいくつか存在している。その全てを読んだ私が、どの順番で読めばいいのか紹介しておく。初見の人の参考程度に。

IC=Introdactory Chapter

CC=Closing Chapter

  1. Introdactory Chapter(序章)
  2. CC千晶1
  3. デジタルノベル「彼の神様、あいつの救世主」
  4. デジタルノベル「雪が解け、そして雪が降るまで」
  5. IC(2周目) ※追加シナリオ有り
  6. デジタルノベル「届かない恋、届いた」
  7. デジタルノベル「祭りの後~雪菜の三十分~」
  8. ボイスドラマ「祭りの前~ふたりの二四時間~」
  9. CC千秋2
  10. ボイスドラマ「祭りの日~舞台の下の物語~」
  11. CC小春
  12. デジタルノベル「Twinkle Snow~夢想~」
  13. CC麻理
  14. デジタルノベル「雪菜姫の受難と大臣の悪巧み」
  15. デジタルノベル「歌を忘れた偶像」
  16. ボイスドラマ「一泊二日の凱旋」
  17. CC雪奈
  18. Codaノーマル
  19. デジタルノベル「台風一過の小春日和」
  20. Coda浮気
  21. Codaかずさ
  22. デジタルノベル「もう、ホワイトアルバムの季節じゃない」
  23. ミニアフターストーリー「幸せに戻る道」
  24. ボイスドラマ「2016年の大晦日
  25. Coda雪奈
  26. ミニアフターストーリー「幸せへ進む道」
  27. ボイスドラマ「再会と贖罪のニューイヤー」
  28. ボイスドラマ「幸せの日~ベッドの上の物語~」
  29. エクストラエピソード「不倶戴天の君へ」※要二周

 正直、かずさと雪奈のどちらを最後にするかどうか以外はどんな順番でも大した問題にはならない。でも、ここでこれを読んでおくとより深く楽しめると個人的に思った順番がこれだ。

 後腐れなく気持ち良くWA2を終わらせたいなら、雪奈を一番最後に選ぶのがいいと思う。WA2を強く心に刻みたいなら、かずさだと思った。ただ覚悟をした方がいい。泣いてしまうから。 

 

 と、思っていたけど変わった。

 全て見終わった最後にエクストラエピソード「不倶戴天の君へ」がいいかなと思った。確認のためにもう一度プレイしてみたら、追加エピソードがあることに気がついた。それを読んで考えが変わった。これが最後が一番いいのかもしれないって。

 ミニアフターはそれぞれのエピローグ的な立ち位置となっている。これは本編を全て見た後に、2つまとめてみた方がいい気もしたが、それぞれの後に読んでも問題はない。

 順番を考えるためにデジタルノベルを読み返すと、二週目でわずかだが追加があることに気がついた。ほんのわずかだが、既プレイヤーももう一度見ると発見があるかもしれない。

 

おわりに

 素晴らしい作品。その一言に尽きる。

 初めてのエロゲがこの作品で良かった…のかな。WA2はもちろんR18なシーンがありエロゲに分類されるとは思うんが、ほかのエロゲとは違う気がする。他のエロゲをプレイしたことがないから比較する事はできないけれど、個人的にエロはグロとセットみたいなイメージが強かった。というか他に少し前にノベライズ版「沙耶の唄」を読んだことや、全年齢版Fateをプレイしたこと関係している気がする。エロは三大欲求の一つだから別として、グロはどうも好きになれない。物語上の要素として深みが生まれる事を否定はしないが、好き好んで摂取したい要素ではない。

 その点、WA2はグロ要素が皆無で心から楽しむ事ができた。そういった面でも皆にお勧めしたい。「エロもちょっと…」という人には、PS3版、PSvita版をオススメしたい。だが、残念なことにPCの完全版以外には全てのデジタルノベル、ボイスドラマ等が収録されているわけではない。だが、PC版にはPS版での追加CGやモーションポートレートといった追加要素がない。

 

何で?

 

 ここだけは大きな不満点。モーションポートレートは置いといて、追加CGはPC完全版にも収録して欲しかった。あと、ボイスドラマの再生環境が微妙。早送りも途中再生も出来ず、最初から聞く以外の選択肢がない。ちょっと聞き逃したり、もう一回聞きたいという時に少しだけ戻して再生という事が出来ない。ちょっと面倒。

 でもどれを買えばいいのかと問われれば、PC完全版「WHITE ALBUM2 EXTENDED EDITION」

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B0788BRGN3?ie=UTF8&redirect=true

これからプレイする人は覚悟してください。心を痛める覚悟を。

 

 最後に。もしかしたらwindows10機でWA2をプレイしていてムービーだけ流れないという症状に陥っている人がいるかもしれないので助言を。一度アンインストールしてもう一度インストールし直してみること。セーブデータは残せるので心配なし。再度インストールするときに注意するのは、インストール先を変更すること。

 私の場合、最初はSSDにインストールしていて何度インストールし直してもムービーが流れない現象は改善されなかった。が、インストール先をHDDに変更するとその現象は改善された。是非一度お試しあれ。