多趣味な男のブログ

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ランボーは単なる乱暴者じゃなかった

 「ランボー」の一作目をプライムビデオで見ました

 映画を視聴する前のランボーのイメージはこれでした。

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 しかしこれはランボーの正しい姿ではなかった。本当のランボーはこんなんじゃなかった。

 

視聴する前の勝手なランボー

 銃弾を肩から掛けて敵に向かって容赦なく銃をぶっ放す乱暴者、というのが内容を知らずにポスターやテレビでたまにあるランボーパロで偏った知識を持った僕の想像でした。ロケットランチャーや機銃を片手に戦場を駆け回り、敵を見つければ圧倒的な火力で制圧する、爆発や火薬を多用した大味な戦争映画なのだろうと勝手に想像していました。

 実際にランボーを見たことがない人は、僕と同じで大体こんなイメージを持ってるんじゃないでしょうか?

 けれど、実際に映画を見てみると思っていたのと全く違っていました。良い意味で。

 

視聴後のランボー

 なんて悲しい男なんだランボーは……

 まず映画の舞台は田舎町で、ランボーは戦場にいませんでした。てっきり戦場を駆け回る兵士ランボーを描いた作品だと思っていたので、最初に映されたのがアメリカに帰還し、現役時代に生死を共にした部隊の最後の生き残りの友人に会いに行くランボーの姿で少し驚きました。

 そして、よそ者だからという理由だけで町の保安官に目を付けられ、浮浪罪と公務執行妨害という言いがかりのような罪で逮捕され、色々あって逃走したランボーは警察から追われる身に。水をぶっかけられたり、殴られたりとされるがままにするランボーを見て、意外に我慢強いんだなと。筋骨隆々の男が小太りの男達にいたぶられる姿は違和感満載で、いつやり返すんだろうと思って見てました。マシンガンと銃弾を携えたおなじみの姿になるのは1時間半のうちの半分にも満たず、よく見るランボー像はランボーの本の一部にしか過ぎませんでした。

 ランボーの本当の姿は、戦場で仲間を失った孤独な一人の男ベトナム戦争に派遣され戦い、大きな貢献を果たすも部隊の仲間は全員死に、戦争にも負け、アメリカに帰還すると反戦派の人々から罵詈雑言を浴びせられるランボー。おまけに、まともな職にもありつくことが出来ず、ベトナムで味わった地獄の光景がフラッシュバックする日々。

 映画のラスト10分、部隊の上司で唯一の友人と呼べる存在であるトラウトマン大佐にこれまで寡黙を貫いてきたランボーが感情を表に出し叫ぶ姿は、悲しさと虚しさに包まれていました。そして、それこそがこの映画で一番の見せ場と言えるでしょう。

 

 

おわりに

 ランボーの第一作目は単なるアクション映画ではなく、PTSDに苦しむ帰還兵ランボーを描いた社会派映画でした。もちろんアクションシーンもあります。ですが、それ以上にラスト10分のランボーの魂の叫びが素晴らしく、それがこの「ランボー」を傑作たらしめているのだろうと感じました。

 まだ見たことがない方は是非見てみてください。1時間30分とそれほど長くないので見やすいと思います。

 ポプテピピックランボーパロって、本当に忠実に再現してたんだなぁ……