多趣味な男のブログ

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【ニーアオートマタ感想】人類に栄光あれ。

ニーアオートマタをクリアしました。ので、その感想をしたためようと思います。

まず、私のニーアシリーズのプレイ状況として、ドラッグオンドラグーンは全エンド見るまでプレイして、続編の2、3は未プレイ。レプリカントはプレイ動画で全エンドを見た程度の状況です。

ちなみにどうして発売から4年ほどだったこの時期にプレイしたのかというと、先日スマホ向けタイトルとして「ニーアリィンカーネーション」が配信開始され、レプリカントのリメイクの発売が迫る今が最適なタイミングだと考えプレイすることにしました。ちなみにソフト自体は発売当初に購入して、序盤だけプレイして積みゲー状態となっていました。

自分語りはこれくらいにして、早速本題に入ろうと思います。

今回は「ゲームプレイ面(アクションなど)」「システム面」「シナリオ面」の3つに分けて感想を書いていきたいと思います。(シナリオ面の項では本作のストーリーに関するネタバレを含みますので未プレイの方はご注意ください

 

 

 

ゲームプレイ面(アクションなど)

触ってまず思ったのは、戦闘が楽しいということです。

戦闘アクション自体は、弱攻撃、強攻撃、ポッド射撃、回避とできることはシンプルな。ですが、あらゆる動きが軽快で戦闘に適度なスピード感があり、最後まで戦闘に飽きるということがなくプレイすることができました。

またポッド射撃が操作キャラの状態に関わず出し続けることができることも、戦闘のスピード感を維持するのに関係しているのかなと思いました。

ですが、その射撃を続けるためには常に射撃ボタンを押し続ける必要があり、戦い続けているとボタンを押し続けるのが少し面倒に感じたり。また、キャラのレベルが上がると近接攻撃のダメージが跳ね上がり、それと比べて射撃のダメージが微妙になったり終盤は射撃はただの飾りのように思えることもありました。それでも射撃ボタンからは手を離しはしませんでしたが。

 

一方、戦闘の楽しさと比べてマップ上の移動が煩わしく感じました

上述したように戦闘は非常にスピーディーで楽しいのですが、戦闘が終わったあとの移動がとても面倒に感じてしまうのです。その原因は、移動に関するアクションにあります。

もちろん移動の手段としてダッシュはあるのですが、それがどうも使いづらい。走るためにはまず回避を出し、それから1、2秒ほど移動し続けてやっとダッシュに移行します。ダッシュに移るまでにわざわざ数秒待たなければいけないのがかなり大きなストレスでした。おまけにダッシュ速度もそれほど早くは感じられず、ダッシュが始まるの待つのが嫌でマップの移動をする際はずっと回避を連打して移動していました。

一応、ゲーム内にはファストトラベル機能が実装されてはいるのですが、それがまた微妙。ファストトラベルを行うためにはまずマップ上に配置された特定の施設に向かわなければならず、結局そこまで移動する必要があるので移動が面倒なことに変わりはありません。

戦闘が楽しいせいで、よけいに移動の面倒くささが目立ちました。

 

それと2周目操作キャラである9S特有のアクションとしてハッキングという名のシューティングゲーム。最初はちょっとしたミニゲーム感覚で楽しんでいたのですが、ストーリーの進行上ハッキングを多用するようになるとわざわざシューティング画面に移行してミニゲームを行うのが面倒になり、前述したアクションのスピード感が損なわれることと、特定の場面以外ではシューティングの使い回しが多いことからゲーム終盤は飽きが生じてしまいました。もうちょっとシューティングに遊びがあるとよかった。

 

移動に関してだけはどうしても気になりました。

 

演出・システム面

このゲームの評価の高さの最大の要因としては、作り込まれたシステム周りの演出にあると私は思っています。アクションやシナリオの素晴らしさも勿論あるのですが、それ以上に、凝った演出によってゲームへの没入感を高めったことが絶賛される理由の最大要因だと私は思います。

具体的にどんな演出が良かったのか全てを挙げるとキリがないので、特に良いと思った演出をいくつか挙げたいと思います。

プレイして思わず「おおっ」と声が出た演出の1つが、2周目が始まって少ししてからのイベント。

1周目プレイ時にプレイヤーはゲーム恒例の設定として画面の明暗や音量調整をチュートリアル感覚で行うことになるのですが、別に1周目プレイ時はただのチュートリアルとして何とも思っていませんでした。ですが、2周目ではチュートリアルの進行役を担っていた9Sを操作する都合上、1周目でプレイヤーが行った設定チュートリアルの画面を見ることになります。

やっていることは初回チュートリアル時のプレイ動画を流しているだけなのですが、ゲーム内で自分の操作を別視点で見るという感覚が新鮮で思わず声を出して唸ってしまいました。チュートリアルを演出の1つに昇華させているのです。

他にはダメージを負ってHPが減ると画面の色が失われていく演出。それ自体はよくある演出ですが、あるイベントの時にその画面色彩の変化がメニュー画面にまで反映されることに気付いて感心しました。小さなことですが、そうした積み重ねがゲームへの没入感を高めているんだと思います。

 

ただこうした演出のひとつとして、シナリオ上キャラが負傷してマップを負傷状態で移動するイベントがあるのですが、そのときに怪我の影響で走りやジャンプといったアクションが封印される演出があり、前述した移動の煩わしさと相まって、演出の凝り過ぎも時には仇になるのかなと思ったりすることもありました。正直、そのイベントはプレイしていてやりたいことが出来ないもどかしさがあり、非情にストレスを感じました。それを含めて演出だと言われたら「まあ、そうか…」と言わざるをえませんが。

 

その他にキャラの成長要素として、キャラレベルの他にプラグインチップと呼ばれるパッシブスキルの組み替え要素があり、操作キャラがアンドロイドという設定と相まって自分で選択した機能を追加していくのも「上手く考えたな」と思いました。

 

こうしたゲームシステムを演出として利用されると、思わず感心してしまいます。凄いですね。

 

 

シナリオ面

以下、ネタバレを含むので未プレイの方は注意してください。

シナリオは人の好みがあり、明るくて希望のある話が好きという人にとって今作のストーリーは受け付け難いものだと思いますが、シリアスで考えさせられる話が好きな人ならきっとハマると思います。

ストーリーを大きく二つに分けると、

1部:人類とエイリアンとの代理戦争篇

2部:ヨルハの真相篇

です。(私が適当に命名しました。異論は認めます)

 

1部は正直ありきたりな話、という印象です。

人類側の兵器として生み出されたアンドロイドと、地球外から襲来したエイリアンの兵器として生み出された機械生命体が互いの創造主の為に代理戦争を行う。これ自体はそれほど特殊な構造ではありません。話のエッセンスとして、「機械が感情を持つのか」という哲学的な問いを孕んでいますが、これも昔から使われてきた題材で、特別な目新しさはありません。

1部中盤でエイリアンは既に絶滅していることが明かされ、2周目の終盤では人類も同様に絶滅していたことも明かされます。ですが、これも話を進めていくうちに何となく予想がつくので意外性はありません。2周目が終わった当初の感想は「まあ、こんなもんか」というのが正直なもの。しかし、それは2周目終了時に流れる予告映像を見て変わりました。

そして始まる3週目、2部:ヨルハの真相篇

タイトル(勝手につけた)の通り、ヨルハ計画の裏に隠された真相を知ることになります。ここからが本番。これまでの1周、2周目はいわばプロローグだったのです。それを裏付けるように、3周目で初めて「NieR:Automata」というタイトルが表示されます。3周目にしてやっと本編が始まったのです。

それまでに私が抱いた、「ありきたりな話」感は開発陣の想定通りの反応だったのです。だってプロローグなのですから。プロローグにしてはかなり長いですが(1,2周目だけで約20時間)。もしかしたらそこに至るまでに見切りをつけて、プレイを中断してしまった人を多かったのではないでしょうか。その気持ちは分からなくもないですが、是非3周目までプレイしてもらいたいです。ここからが本番ですので。

 

2部で引き込まれる要因となったのは、間違いなく、1周目操作キャラである2Bの死です。

なんとなく、3周目は2B・9Sに加えてA2を交えた3人体勢で話が進んでいくのかなとぼんやり予想しているなか、まさかの2B死亡。全くの予想外の出来事に、コントローラーを手にして呆然としました。

そして最終的に2Bを絶命させるに至ったA2に対する憎悪と復讐に囚われる9S。1部では機械生命体が感情を持つのかと考えていた9Sが、態度を一変させて非情になってしまうのはなんともいえない思いが。しかも黄金ロボのイベントでは家族への復讐を考えていた機会生命体を見て「理解できない」と言っていたのに…

そしてパスカルたち平和を望む機械生命体たちに起こる異常、自我を失うアンドロイドの仲間たち、突如地中より現れた謎の建造物。まさに地獄。

「もう人間もエイリアンもいないのに何故争うんだ!」

たぶん私を含めて、プレイした人は皆そう心の中で叫んでいたことでしょう。

 

そして明かされるヨルハ計画の真相。全てはアンドロイドのアンドロイドによる、アンドロイドのための計画。ヨルハ計画とは、アンドロイドの存在意義を守るための盛大な自作自演だったのです。その事実を知ったときの、なんと虚しいことか。9Sの気持ちも分かります。

 

そして物語の終幕であるEエンド。最後の敵は、ゲームの制作陣。次々と襲いかかるクリエイター達とのラストバトル。諸悪の根源である彼らを打ち倒すことで、私達プレイヤーは最期を迎えられるのです。スマブラDXのスタッフロールシューティングを想起させる戦いは苛烈を極めます。やっぱりSQUARE ENIXは強かった。何度も倒され、終いには先人達の助太刀を得て全てのクリエイター達を打ち倒した先に待つのは究極の選択。

 

そして私は、世界を救済するための礎、概念体へなるために己のセーブデータを捧げました。悔いはない。

 

おわりに

不満点(主に移動)も少しはありましたが、ゲーム全体の感想としてはかなり面白かったです。Eエンドを見るまでは大体30時間ほど。サブクエは試練系を除いてほぼクリア。レベルは85。エミールは倒してないのでYエンドは見ていません。武器を集めるためにマップを散策するのが億劫で……

これでやっとスマホ版に手を出せます。自分の中で、シリーズものをやるならなるべく前作をクリアしてからというこだわりがあるのでダウンロードだけしてまだプレイはしていませんでした。ぼちぼちプレイしていきたいと思います。

また、4月に発売予定のレプリカントのリメイクも購入したいと思っています。プレイ動画を見て済ませるのはどうにも気分が良くないので。

 

最後まで読んでくださったあなたに感謝を。