多趣味な男のブログ

興味を持った色々なことについて書いていきます。

映画「モンスターハンター」感想

結論から書くと、

映画「モンスターハンター」は近年希に見るガッカリ映画でした。

 

元々前情報でヤバイというのは聞いていたので期待はしていなかったのですが、予想を大幅に下回ってきました。個人的に、これまで見てきた映画のワースト上位に入る代物でした。ちなみに私的ワーストは「ハイライズ」という映画です。

 

以下、感想を書いていきます。

内容に関するネタバレがあるのでご注意ください。

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これだけ見ると面白そうですよね。そう思っていた時期が私にもありました。

 

 

なぜ砂漠をメインの舞台にしたのか?

モンスターハンターといえば、モンスターが生息する土地での生態系を見るのも楽しみのひとつ。だが、この映画の半分近くは見渡す限り黄土色の砂漠の映像です。そこに出てくるモンスターは「ネルスキュラ」と「ディアブロス」の二体だけ。他の生物の姿は一切ありません。生態系もなにも感じられない。そもそも彼らは何を主食として生活しているのか。ネルスキュラディアブロスの2人だけで生態系を築きあげているのか。だが、その2人が戦うシーンはありません。

砂漠である理由がとにかく感じられませんでした。最初から密林を舞台にしてサバイバル映画っぽくしておけばよかったのに…

 

 

どうして言葉が通じない設定を使った?

この映画の主人公アルテミス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は、モンスターハンターの世界に突然転移します。

なので普通に考えれば確かに言葉が通じないのは当たり前なんですが、今作に限って言えばその設定を活かせているとはいえない。軍人風の成人女性と民俗衣裳っぽいものを身につけた成人男性が物を指差して単語だけでやりとりするシーンは「何を見せられているんだ…」と真顔になってしまいました。アニメでよくあるこれはデフォルメされた見た目だから見れていたんですね…

しかもその状態はほぼ最後まで貫かれる。途中、英語を話せる人が1人だけ出てきますが、相変わらず他の人が何を言っているのかは分かりません。そしてその人物が英語をしゃべれるのも「昔、英語を話す異世界人が覚えた」という理由。しかし、これも不可解な点が。その人物以外に英語話者は主人公を除いていないはずなんですが、その人物の英語はとても流暢です。他の人が英語を話さない環境で普段から使っていないはずなのにネイティブのような英語に違和感がありました。

もしかしたらそれは伏線なのかもしれません。過去に来た英語を話す異世界人と裏で繋がっていてナンタラ…という。ですが、結局その伏線が回収されることはなくなぜか英語を流暢にしゃべれるおじさんがいるという結界にしかなりませんでした。

こんなことから、ご都合設定と言われるかもしれませんが、最初から普通に言葉が通じたほうがストーリー展開的によかったと思います。プラスにならない設定なんて無くていんですよ。

 

 

 

必要性の感じないモンスター恐怖要素

物語の序盤から中盤にかけて描かれるエイリアン風の恐怖描写。蜘蛛型モンスターのネルスキュラがその役割を担うのですが、全体を通して見た結果、結構な尺を取って描かれた恐怖要素の意義が分からない。モンスターが恐ろしい存在だと言いたいのかも知れませんが、それはディアブロスだけでも伝わります。なのにしつこく描写されるネルスキュラ。人間を巣に連れ帰って餌にしたり、人間の身体に卵を植え付けて苗床にする描写は必要でしたか? 

それに密林に移動した際、水場に近づいた瞬間突然に現れて驚かせてくるガレオス。完全に油断していたので本気でびっくりしました。どうしてそんなことをしたんですか? そのあとガレオスが物語に関わることはありませんでしたよね。私を含めた観客はなんで突然驚かされたんでしょうか? そんな恐怖描写は求めていないんです。

 

 

結局「爆発」が最強でした

モンスターハンターと言えば様々な武器種によるモンスター討伐。映画の中でも弓、双剣、大剣が登場します。この世界の双剣と大剣は火を発生させる力があるみたいです。理由は分かりません。しかし、その武器もモンスターを倒すには至りません。せいぜい表皮に傷を付ける程度。現代兵器の銃も固い外皮の前にはエアガンのようなものです。

じゃあ一体どうやってモンスターを倒せばいいのか?

答えは「爆発」です。

どんなに硬い外皮で覆われていて銃の弾が通らなくても、爆発させればいいんです。爆発物が付いた矢が最強です。RPGでも代用可能です。勝負の決め手になったのは爆発でした。もう剣なんて捨ててみんな爆発弓を持てばいいんじゃないかな。けれど。もしかしたら爆発矢は貴重なのかもしれません。爆発矢をどうやってつくってるのかも分からないのでただの推測ですが。

 

 

全てを投げっぱなしにした打ち切り漫画みたいな終わり方

映画の終盤、突然に空気が変わりました。異世界から現代に突然戻って、いつの間にかに異世界人も現代に転移してきていて、なんやかんやあってリオレウスを倒す。このあとどうやって帰るんだろう…と思ったら再び異世界へのゲートが開く。「ああここでお別れして終わりなのかな」と思ったら、なぜか主人公は異世界人と一緒に再び異世界へ戻ることに。なんで? そして新たなモンスターとしてゴアマガラが登場。お、また戦闘か。と思ったら主人公達とゴアマガラがお互いに向かい合って走り出す。お、おい。これって……。そして両陣営が接近して攻撃しようと腕を持ち上げ、タイトルロゴドーン!! そして映画は終了。

「…え?」

素の声が出ました。

「コレってよくある週刊誌の打ち切りエンドじゃん…」

結局なんで主人公たちは異世界に転移したのか分からず、そもそも主人公達は何をしている人たちなのかもよく分からず。そういえば主人公は指輪を大切にしている素振りを見せていたけど誰から貰った指輪だっただろうか。天の回廊とはなんだったのだろうか。

 

 

おわりに

そういえば最後までモンハンの音楽は流れなかったなぁ。英雄の証とかラストに流れるのかと思ってたけどそんなことはありませんでした。

この映画を映画館に見に行くなら、家でモンハンライズを遊んでた方が良いですよ。どうしても見たいというなら止めません。モンスターのCGはとてもクオリティが高かっただけでに残念です。続編は…どうなんですかね。映画の内容を見た限り難しそうに見えますが。