多趣味な男のブログ

興味を持った色々なことについて書いていきます。

浅倉透の「10個、光」考察【シャニマス】

 今回は、最近アイドルマスターシャイニーカラーズに登場した新ユニット「ノクチル」のメンバー、浅倉透のpSSR「10個、光」について語ろうと思う。

 

ノクチルとは

f:id:buluck:20200518234735p:plain

 シャニマスに新たに追加された4人組の新ユニットである。他のユニットとは違い、メンバーがみんな幼馴染という設定で同じ学校に通っている。

 メンバーは、

浅倉透

樋口円香

福丸小糸

市川雛菜

 

ユニットのキャッチコピーは

『さよなら、透明だった僕たち(チルアウト・ノクチルカ)

 誰かになる必要なんてない――

 走り出す波を追って、少女たちは碧い風となる。』

 

  かっこいい

公式のノクチル紹介サイト

noctchill (ノクチル) | アイドルマスター シャイニーカラーズ(シャニマス)

 

ユニットの方向性

 ノクチルのコンセプトは、透明感と爽やかさを意識しているということが、シャニマスの総合プロデューサーの高山氏から説明されています。そして、ユニット名も夜光虫を意味する"ノクチルカ(Noctiluca)"をもじった造語であることも書かれています。

 ファミ通のインタビュー記事より(https://www.famitsu.com/news/202005/17198223.html

 

 キャッチコピーをもう一度見てみる

『さよなら、透明だった僕たち(チルアウト・ノクチルカ)

 誰かになる必要なんてない――

 走り出す波を追って、少女たちは碧い風となる。』

  まず、最初の「さよなら、透明だった僕たち」

 この言葉は、アイドルとなることでこれまでの平凡な生活から抜け出し、誰からも見られることのなかった透明な状態から脱した、という意味だと私は解釈した。また、ここでなぜ「私たち」ではなく「僕たち」となっているかは、ノクチルの半ばリーダー的存在である浅倉透が関係していると考える。

 浅倉の決勝後のコミュから、彼女の幼少期の一人称が「僕」であったことがわかっている。そして、浅倉がアイドルとなった背景には、幼少期の頃にまだ学生であったプロデューサーと会っていたことが関係している。つまり、浅倉のアイドルとしての起源は幼少期にある。そのことから、ここでは「さよなら、透明だった僕たち」とされているのだと考察した。

 

 そのあとに続く、「誰かになる必要なんてない――」

 これは、ほぼ言葉の意味そのまま受け取って問題ないように思う。言葉の通り、自分を曲げる必要はなく自分らしさを大事にしていけ、的な意味。この辺は、市川雛菜のコミュで特にフューチャーされている感じがした。

 

 最後の「走り出す波を追って、少女達は碧い風となる」

 走り出す波とは、アイドルとしてのスタートを表しているように思う。ユニットのコンセプト的に、夜光虫と海が関係しているため、夜光虫(ノクチル)が波(アイドルとしての道)に乗って流されていくようなイメージだろうか。

 

コミュの所感と考察

浅倉透

f:id:buluck:20200518234817j:plain

 何を考えているのか非常に分かりづらい。けれど、それが想像をかき立ててくれる。先にも書いたが、この浅倉だけが他のメンバーと違ってプロデューサーと過去に面識がある。そして、浅倉がアイドルとなったことで、それに続く形で他のメンバーもアイドルとなった。そこからも分かるように、浅倉はこのユニットの核となる存在。そして透明感がずば抜けている。あと、財布忘れる。

 

 浅倉はアイドルとなった後も、まだいまいちその感覚を自分の中で消化しきれていいないような感じがする。そのへんでも、「誰かになる必要なんてない」、アイドルとなってもこれまでの自分と変わることがないという言葉が頭に浮かんだ。それが現れていると感じたのが、pSSRでのコミュだ。

 

以下、浅倉透のpSSR「10個、光」のコミュの内容に触れるので注意

 

 

f:id:buluck:20200519031138j:plain

 このカードは「光」が鍵となってくる。カード名にも「光」と入っているのだから当然のようにも思えるが。

 このコミュで扱われる「光」とは、「日常の中にあって、意識しないと見えないもの」のことだと言える。1つめのコミュで登場する「一生のうちにやりたい10のこと」。それがまさに意識しないと思い浮かばないもの。そのことを「10個、光」と言い表しているのではないだろうか。

 2つめのコミュで、バスから見える窓の光、バスの降車ボタンの光、そういった普段意識しないけれど今までもずっと光っていたものを挙げて「昼光ってるものって見えないんだね。夜なら見えるのに」と浅倉が漏らす。そしてPはそれに「俺、ちゃんとみえてるからな。昼の間も光ってるもの」と返す。そして浅倉に「すごいじゃん」と返される。何も考えずにただ字面を追っているとさっぱり意味が分からない。

f:id:buluck:20200519023620p:plain

「2こめ」の途中から

 

 おそらくここでPは、浅倉の発言を「昼光っているもの=自分(浅倉自身)」だと考えて、昼の間は光っているものが見えないというのを「浅倉が他のアイドルの輝きの中に埋もれてしまう」という風に解釈して「昼の間も見える」と言ったのだと思う。しかし、当の本人である浅倉はそんな深い意味を込めたわけではなかったが、Pの発言を聞いてその言わんことを理解して「すごいじゃん」と返したのだと考えられる。そう解釈すると、なんとなく二人の会話が理解出来る気がする。難しい。

 

 3つめのコミュでは、浅倉が見ていた映画のキスシーンを目前にした二人の反応が描かれる。ここでは浅倉のPに対する意識のようなものが見て取れる。キスシーンを前にして「少し気恥ずかしい」というPに対して「親だったら、もうちょっと平気かな」と返す浅倉。それって、そういうことですよね?

 

 4つめでは、レッスンの日程の打ち合わせでファミレスに二人で来た浅倉が、会計をいつもPが払っていることに気がつく。それを「奢ってもらってる」と感じる浅倉と、「経費だから。それにアイドルとPとしてきてるんだから、透は気にしなくていい」と言うP。結局Pが会計を済ませるが、浅倉は「じゃ、今度はワリカンね」と言う。

 それって、今度はアイドルとプロデューサーとしてじゃなくてってことですよね!?

 

 そしてTrueEndの「いつか」

 ある日の夕方、浅倉は夕焼けの空に光る一つの星に気づく。街を見渡せる公園に登って「全部見えるって感じ。世界中」と浅倉は言う。Pは「そりゃすごい」と。

 ここで浅倉が言う世界、とは。

 浅倉は世界中というが、彼女が見るのは夕暮れの空と、眼下に広がる街。彼女はそれを見て世界中と言う。それから「『ここ』って誰かのもの?」とPに尋ねる。「ここ、ってどこのことか? 公園か?」と訊きかえすと「なんだろ、そういうんじゃなくて……世界? ここ」と返ってくる。それに対し「よく分からんが、誰のってわけでもないだろう」と答えると、「ありがと」と言う浅倉。「誰かのものじゃないといいなって思っただけ。ここが。なんか、今が」

f:id:buluck:20200519035005p:plain

True「いつか」の中盤部分

 これまた難しい会話だ。初見の時は「なるほどね完全に理解した状態」、つまり何も分かっていない。

 これまでの浅倉の発言は全て、彼女が見、感じたままのことを言っていた。その彼女が「世界」と言うのなら、それは彼女が今見て感じているものが世界なのだろう。そして、それは「今、ここでプロデューサーの隣で星をみている」というのがこの瞬間に浅倉が体験している世界に違いない。

 そして太陽が沈み、次第に星が増えていく。浅倉は一番最初に見た星をもう一度見つけることを『一生のうちにやりたい10のこと』に加えると言う。「いつになんだろうなぁ」と言うPに、「いつか。でも、見つけられるから。誰のものでもないんだったら――」と、浅倉は言った。

 

 ここで問題となってくるのは最後の「誰のものでものないんだったら」の扱い。この一文が無ければ、それこそ言葉の通りに受け取れる気もする。しかし、最後の一文のせいでややこしくなっている。「誰のものでもないんだったらいつか見つけられる」とは何を意味しているのか。

 ひとつ考えたのは、浅倉とPが運命的に昔と同じ場所で再会したことを意識して、そんな奇跡のような事があったのだからきっと星も見つけられるよ、といったようなニュアンスで言ったのか?

 

  色々考えて見たが、これを読み解く鍵は「1こめ」にあった。このTrueEndコミュは「1こめ」のアンサーになっていた。

 「1こめ」で、『一生のうちにやりたい10のこと』を考える浅倉に向かってPは「アイスコーヒー作りたい」と答えた。そして、それが『一生かけてやり遂げたいこと』とまで言った。

f:id:buluck:20200519030550p:plain

「1こめ」全文

 その時点では、浅倉は何も言うことが出来なかった。

 

 そしてその答えを、見つけた。それが「さっきの星、見つける」だ。

 

 星はそれこそ数え切れないほど無数に存在している。その中から特定の星一つ、しかも名前があるのかすらわからない星を見つけるなど本当に一生をかけないとやり遂げることは出来ないだろう。けれども、浅倉は「誰のものでもないんだったら、いつか見つけられる」と言い切る。おそらくここで彼女が言う「星」は、本当の意味でのさっき見た星ではないのではないだろうか。彼女が言う「見つけたい星」とは、浅倉とPが見る同じ光、世界のことなのではないか。

 浅倉とPは、最初確かに同じ星を見た。この瞬間、これまで同じはずの光景を見ていても思うこと考える事が、二人の交わらなかった世界がその瞬間に交差したのだ。だから浅倉はもう一度その星を、その瞬間『ここ』を探す。

 それが誰かのもの、つまり誰かから与えられるものでなければきっと見つけることができるから。そしてそれこそが、他の誰にも真似できない唯一のものとなる。

 もしかしたらそれが、浅倉とPが初めて出会った瞬間のことなのかもしれない。

f:id:buluck:20200519031959p:plain

True「いつか」の後半部分

 

 おわりに

 色々書いたけど、あんまり自信はない。この女、難しすぎる。だが、それでいい。

 今回は浅倉透だけになってしまったが、追々他のメンバーについても書いていきたい。特に市川雛菜は彼女のものの考え方と共通コミュから窺える様子からして、過去に何かありそう。円香は普段毒をまき散らしてるが、その毒のトゲの内に秘めた部分が女の子らしく惹かれる。小糸ちゃんはまだあんまりわからん。

 次に円香のpSSRが出るらしいので今から石を貯めておこう。

 

 あと、凄くどうででもいいけど最近買ったHHKB凄く良い。一生キーボード触ってられる。

 

ランボーは単なる乱暴者じゃなかった

 「ランボー」の一作目をプライムビデオで見ました

 映画を視聴する前のランボーのイメージはこれでした。

f:id:buluck:20200506011502j:plain

 しかしこれはランボーの正しい姿ではなかった。本当のランボーはこんなんじゃなかった。

 

視聴する前の勝手なランボー

 銃弾を肩から掛けて敵に向かって容赦なく銃をぶっ放す乱暴者、というのが内容を知らずにポスターやテレビでたまにあるランボーパロで偏った知識を持った僕の想像でした。ロケットランチャーや機銃を片手に戦場を駆け回り、敵を見つければ圧倒的な火力で制圧する、爆発や火薬を多用した大味な戦争映画なのだろうと勝手に想像していました。

 実際にランボーを見たことがない人は、僕と同じで大体こんなイメージを持ってるんじゃないでしょうか?

 けれど、実際に映画を見てみると思っていたのと全く違っていました。良い意味で。

 

視聴後のランボー

 なんて悲しい男なんだランボーは……

 まず映画の舞台は田舎町で、ランボーは戦場にいませんでした。てっきり戦場を駆け回る兵士ランボーを描いた作品だと思っていたので、最初に映されたのがアメリカに帰還し、現役時代に生死を共にした部隊の最後の生き残りの友人に会いに行くランボーの姿で少し驚きました。

 そして、よそ者だからという理由だけで町の保安官に目を付けられ、浮浪罪と公務執行妨害という言いがかりのような罪で逮捕され、色々あって逃走したランボーは警察から追われる身に。水をぶっかけられたり、殴られたりとされるがままにするランボーを見て、意外に我慢強いんだなと。筋骨隆々の男が小太りの男達にいたぶられる姿は違和感満載で、いつやり返すんだろうと思って見てました。マシンガンと銃弾を携えたおなじみの姿になるのは1時間半のうちの半分にも満たず、よく見るランボー像はランボーの本の一部にしか過ぎませんでした。

 ランボーの本当の姿は、戦場で仲間を失った孤独な一人の男ベトナム戦争に派遣され戦い、大きな貢献を果たすも部隊の仲間は全員死に、戦争にも負け、アメリカに帰還すると反戦派の人々から罵詈雑言を浴びせられるランボー。おまけに、まともな職にもありつくことが出来ず、ベトナムで味わった地獄の光景がフラッシュバックする日々。

 映画のラスト10分、部隊の上司で唯一の友人と呼べる存在であるトラウトマン大佐にこれまで寡黙を貫いてきたランボーが感情を表に出し叫ぶ姿は、悲しさと虚しさに包まれていました。そして、それこそがこの映画で一番の見せ場と言えるでしょう。

 

 

おわりに

 ランボーの第一作目は単なるアクション映画ではなく、PTSDに苦しむ帰還兵ランボーを描いた社会派映画でした。もちろんアクションシーンもあります。ですが、それ以上にラスト10分のランボーの魂の叫びが素晴らしく、それがこの「ランボー」を傑作たらしめているのだろうと感じました。

 まだ見たことがない方は是非見てみてください。1時間30分とそれほど長くないので見やすいと思います。

 ポプテピピックランボーパロって、本当に忠実に再現してたんだなぁ……

「WHITE ALBUM2」をクリアした。そして、泣いた。

WHITE ALBUM2」をクリアした。そして、泣いた。

f:id:buluck:20200307020934j:plain

最近再購入したWHITE ALBUM2 EXTENDED EDITION

 

 この「WHITE ALBUM2(以後、WA2)」という作品は、所謂名作である。この作品を一度でもプレイしたことがある人間なら異論はない…はずだ。そうでないなら、きっとその人にはツラすぎたのだろう。

 WA2は“愛”に溢れている。“愛”と一言に言っても、それには多様な形がある。親子間、友人間、仕事の間、そして男女の。そして、WA2にはその全ての愛が詰まっている。だからこそ、ツラい。

 今回はそんな「WHITE ALBUM2」について書こうと思う。これが人生初の18禁ゲームとなりました。

 

どんな作品なのか

 WA2はleafから発売されたwindows向け18禁恋愛アドベンチャーゲーム。後述する序章の発売から、今年で実に10年の月日が経とうとしている。

 元は18禁だが、後に全年齢版としてps3版とpavita版が発売されている。2013年にはTVアニメ化もされている。ちなみに私はTVアニメを見てWA2を知った。それからセット版を購入したが、つい最近にEXTENDED EDITIONも購入した。

 今TVアニメを見ようとすると、TSUTAYA DISCASバンダイチャンネルニコニコ動画でレンタルするか、円盤を買うかしかない。NetflixやAmazonPrime、dアニメストアなどのサイトでは配信されていない。残念だ。やった、dアニメストアで配信が開始された!!みなさん是非登録しましょう。月額500円で色んなアニメが見放題!

 ただ一話だけならニコニコ動画で無料で視聴出来る。

 WA2が何をして名作と称されているのか。それはシナリオだ。

 シナリオ担当は、丸戸史明 with 企画屋。近年のオタクには冴えない彼女の育てかたの原作者と言った方が分かりやすいかも知れない。恥ずかしながら、私は氏の生み出した物語はこの2作しか読んだことがない。そしてその2作にハマった。

 2作品しか知らない私が氏を語るのはおこがましいが、氏は「なんだかなぁ」という言葉がお気に入りなのかなと思った。WA2でも冴えカノでもよくヒロインが口にしているからという理由だが、割と出てくる言葉なので印象に残っている。あと、氏は多分M。

 全編通してプレイした私の中に「小木曽雪菜」という一人の”人間”が刻まれた。雪菜が好きでも嫌いでも否応なく心に残る存在となることだろう。それほどまでに彼女という存在は強かった。今まで様々な作品に触れてきたがこれほどまでの存在には出会ったことがなかった。彼女の存在なくしてWA2は語ることは出来ない。

 

心を抉るシナリオ

 ここからは若干のネタバレがあるので注意を。物語の核心にせまる内容には触れませんが、読むことでどんな雰囲気で進むのかが想像できてしまうかもしれません。

 

序章-Introdactory Chapter-

 WA2は「小木曽雪奈」と「冬馬かずさ」というダブルヒロインと主人公の関係を軸として物語が三章仕立てで展開していく。その3人の関係が、序章であるIntorodactory Chapterで構築される。

 2人の女と1人の男が学園祭のバンドという関係を経て惹かれあい、深く愛し合っていく。2人は1人を想い、1人は2人を想う。そこに優劣がない…わけではない。「卵が先か、鶏が先が」ではないが、互いに惹かれあった順番はある。だが、想いを口にして結ばれる順番もある。その両方が一致すれば良かったのだが、そうはならなかった。そして1人と結ばながらもう1人への想いを無かったことにできるほど想いは強くも弱くもなかった。そして主人公は間違った選択をし、3人の関係が、壊れる。

 ここに選択の余地はない。我々プレイヤーはそのボタンの掛け違いをただ眺めることしかできない。それを治せるのは当事者だけだと言わんばかりに。

 

 ここまでが序章だ。これだけでもゲーム1本として成立している。これだけではあまりにも救いがなさすぎるが、それでもって素晴らしい完成度だ。そして何より、歌がいい。シナリオとして歌が関わってくるのだが、その歌が物語に更なる深みを与えている。たぶんこの先主題歌を聞くだけでこの物語を思い出し、胸が締め付けられることだろう。


Closing Chapter

 高校を卒業し、大学に進学しても話は終わらない。3年が経っても3人の関係は元に戻ることはない。ここでは序章には出てこなかった新たな関係が生まれる。所謂サブヒロイン。だが、サブヒロインなれどどのルートも素晴らしく、プレイヤーの心を抉りにくる。どのヒロインを選ぼうと、ただ幸せになることは出来ない。必ず心が痛む。

 プレイヤーの立場としては他のヒロインルートに進むたびに、序章からのヒロインに申し訳が立たなくなる。「必ず幸せにしてやるからな…だから今だけは…」という思いでメインヒロインを裏切りサブを先に読み進めた。シナリオ的にはそれが正解だが、心が痛い。主人公の気持ちが分かってしまう。泣いた。

終章Coda

 大学を卒業して社会人となっても物語は終わらない。やはり過去と向き合わなければこの物語は終わらない。詳しくは語れないが、泣いた。とあるルートがツラすぎた。全てを裏切りながら、なぜか「ありがとう」という思いが湧き上がってきた。たぶんここまでプレイすれば何を言っている分かる。主人公が痛い目に合いながら何故か喜んでいる自分がいた。Mじゃない。でも嬉しかった。

 メインヒロインそれぞれのTrueエンドなるものが存在するが、どちらが正解なのか。これに正解はない、と思う。ただ高校からの7年の歴史を考えると、彼女のルートを最後にしたいという気持ちが強い。だって、今まであんなことをしてきたのだから…

 

攻略順

 WA2にはいくつかのルートが存在している。さらにミニノベルやボイスドラマ、エクストラエピソードなど付随する物語がいくつか存在している。その全てを読んだ私が、どの順番で読めばいいのか紹介しておく。初見の人の参考程度に。

IC=Introdactory Chapter

CC=Closing Chapter

  1. Introdactory Chapter(序章)
  2. CC千晶1
  3. デジタルノベル「彼の神様、あいつの救世主」
  4. デジタルノベル「雪が解け、そして雪が降るまで」
  5. IC(2周目) ※追加シナリオ有り
  6. デジタルノベル「届かない恋、届いた」
  7. デジタルノベル「祭りの後~雪菜の三十分~」
  8. ボイスドラマ「祭りの前~ふたりの二四時間~」
  9. CC千秋2
  10. ボイスドラマ「祭りの日~舞台の下の物語~」
  11. CC小春
  12. デジタルノベル「Twinkle Snow~夢想~」
  13. CC麻理
  14. デジタルノベル「雪菜姫の受難と大臣の悪巧み」
  15. デジタルノベル「歌を忘れた偶像」
  16. ボイスドラマ「一泊二日の凱旋」
  17. CC雪奈
  18. Codaノーマル
  19. デジタルノベル「台風一過の小春日和」
  20. Coda浮気
  21. Codaかずさ
  22. デジタルノベル「もう、ホワイトアルバムの季節じゃない」
  23. ミニアフターストーリー「幸せに戻る道」
  24. ボイスドラマ「2016年の大晦日
  25. Coda雪奈
  26. ミニアフターストーリー「幸せへ進む道」
  27. ボイスドラマ「再会と贖罪のニューイヤー」
  28. ボイスドラマ「幸せの日~ベッドの上の物語~」
  29. エクストラエピソード「不倶戴天の君へ」※要二周

 正直、かずさと雪奈のどちらを最後にするかどうか以外はどんな順番でも大した問題にはならない。でも、ここでこれを読んでおくとより深く楽しめると個人的に思った順番がこれだ。

 後腐れなく気持ち良くWA2を終わらせたいなら、雪奈を一番最後に選ぶのがいいと思う。WA2を強く心に刻みたいなら、かずさだと思った。ただ覚悟をした方がいい。泣いてしまうから。 

 

 と、思っていたけど変わった。

 全て見終わった最後にエクストラエピソード「不倶戴天の君へ」がいいかなと思った。確認のためにもう一度プレイしてみたら、追加エピソードがあることに気がついた。それを読んで考えが変わった。これが最後が一番いいのかもしれないって。

 ミニアフターはそれぞれのエピローグ的な立ち位置となっている。これは本編を全て見た後に、2つまとめてみた方がいい気もしたが、それぞれの後に読んでも問題はない。

 順番を考えるためにデジタルノベルを読み返すと、二週目でわずかだが追加があることに気がついた。ほんのわずかだが、既プレイヤーももう一度見ると発見があるかもしれない。

 

おわりに

 素晴らしい作品。その一言に尽きる。

 初めてのエロゲがこの作品で良かった…のかな。WA2はもちろんR18なシーンがありエロゲに分類されるとは思うんが、ほかのエロゲとは違う気がする。他のエロゲをプレイしたことがないから比較する事はできないけれど、個人的にエロはグロとセットみたいなイメージが強かった。というか他に少し前にノベライズ版「沙耶の唄」を読んだことや、全年齢版Fateをプレイしたこと関係している気がする。エロは三大欲求の一つだから別として、グロはどうも好きになれない。物語上の要素として深みが生まれる事を否定はしないが、好き好んで摂取したい要素ではない。

 その点、WA2はグロ要素が皆無で心から楽しむ事ができた。そういった面でも皆にお勧めしたい。「エロもちょっと…」という人には、PS3版、PSvita版をオススメしたい。だが、残念なことにPCの完全版以外には全てのデジタルノベル、ボイスドラマ等が収録されているわけではない。だが、PC版にはPS版での追加CGやモーションポートレートといった追加要素がない。

 

何で?

 

 ここだけは大きな不満点。モーションポートレートは置いといて、追加CGはPC完全版にも収録して欲しかった。あと、ボイスドラマの再生環境が微妙。早送りも途中再生も出来ず、最初から聞く以外の選択肢がない。ちょっと聞き逃したり、もう一回聞きたいという時に少しだけ戻して再生という事が出来ない。ちょっと面倒。

 でもどれを買えばいいのかと問われれば、PC完全版「WHITE ALBUM2 EXTENDED EDITION」

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B0788BRGN3?ie=UTF8&redirect=true

これからプレイする人は覚悟してください。心を痛める覚悟を。

 

 最後に。もしかしたらwindows10機でWA2をプレイしていてムービーだけ流れないという症状に陥っている人がいるかもしれないので助言を。一度アンインストールしてもう一度インストールし直してみること。セーブデータは残せるので心配なし。再度インストールするときに注意するのは、インストール先を変更すること。

 私の場合、最初はSSDにインストールしていて何度インストールし直してもムービーが流れない現象は改善されなかった。が、インストール先をHDDに変更するとその現象は改善された。是非一度お試しあれ。

 

空から落とされた男【グラブルVS】

 うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

f:id:buluck:20200222043045j:plain

C2に落ちた瞬間

 勝てない勝てない勝てない勝てない勝てない勝てない勝てない勝てない勝てない勝てない勝てない勝てない勝てない勝てない勝てないなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで

 

 

 

 

 …………ふぅ。少し落ち着こう。あまりにも勝てなすぎて精神が崩壊しかけていました。

 

 タイトルにもある通り最近僕はグラブルVSというPS4向けの格ゲーをプレイしています。もちろんこのゲームにもオンライン対戦があるんですが、僕は全く勝てていません。

 断っておくと、僕は格ゲー初心者ではありません。中学生の頃に「BLAZBLUEブレイブルー)」という格闘ゲームに触れたことでこの世界に惹かれ、以来様々な格闘ゲームをプレイしてきました。

 ただ下手の横好きというのでしょうか、プレイはするものの決してトッププレイヤーのようにめちゃくちゃ上手い訳ではありませんでした。それでも勝った負けたを繰り返して、中級者と呼んでもいいくらいの実力はあると自負していました。

 それがグラブルVSでは、全く勝てないのです

 理由は明らか。それは自分がただ下手なだけ。それは当然の如く理解しているのですがこうして愚痴のように、気持ちを文字に起こしてネットの海に流しています。こうでもしないと本当に精神が崩壊してしまう……

 一度はAランク昇格戦まで至りました。ですが、後一勝というところで負けてBに滞在することになり、それから負けが込んでC2という地の底までたたき落とされました。多分発売してから一週間くらいのことだからだったんだろうな……

 

 ちなみに僕は炎帝†パーシヴァルを使っています。本家のグラブルでも、剣パ最強!の時代にお世話になりました。最近はあまり出番がありませんが。

 

 パーシヴァルの遠Hはリーチが異様に長く、弾も回り込みで抜けられないのが強いです。対空もアビリティボタンを利用したワンボタン昇竜、屈みHなど優秀だと思っています。でも勝てない。

 安易な飛びはしっかりと落としているんですが、ワンボタン昇竜に頼っているため大したダメージソースにならず。牽制のヒット確認から王者の行進H派生が出来たりすればダメージを稼げるんでしょうが、難しい。端のコンボはトロイメライがないと伸びず。結局いつものパターンは、最終的なダメージレースに負けて敗北です。

 色々言いたいことはありますが、一番言いたいのは全体を通して昇竜の隙が少なすぎる。弱昇竜の隙が少なさ過ぎて少し離れてるとお仕置きが難しい。結局、中央でなんとかダウンを取っても、リバサ昇竜にリスクを与えられず攻めを拒否される。まあこっちもノーゲージ昇竜持ってるんであまり文句は言えません。

 

 プレイしている最中も愚痴を言いまくり温まりまくってますが、やっぱり楽しい。でも勝てるともっと楽しい。

 自分の課題は理解しているつもりなので、トレモで練習して目標であるSランクに行きたいと思います。

 待ってろよ上級貴族(Sランク帯)ども。

 スラム(C帯)上がりの底力を見せつけてやる。

 

運命にあらがう物語 FF15小説-The Dawn Of The Future-

 FF15の小説「The Dawn Of The Future」を読みました。ので、その感想を書いていきます。いつもならネタバレを避けているのですが、今回は個人の選択に委ねようと思います。

どんな内容なのか

 この本の中には、4つの物語が収録されています。以前にDLCとして開発すると発表されたものの、プロジェクトの縮小に伴い開発が中止されたDLCの内容を小説として書き起こしたものとなっています。

  1. エピソード・アーデン「聖者の迷い」
  2. エピソード・アラネア「終わりの始まり」
  3. エピソード・ルナフレーナ「自由への選択」
  4. エピソード・ノクティス「最後の剣」

 この4つが収録されています。以下では、一つ一つ詳しく見ていこうと思います。

 ちなみにこの本のタイトル「The Dawn Of The Future」は「未来の夜明け」といったような意味です。

 

ネタバレ無しで見る

ネタバレ有りで見る

 

どちらか選択してください

 

 

 

 

 

ネタバレ無しで見る

Epアーデン「聖者の迷い」

 この物語は4つの内、唯一DLCとして販売されているものとなっています。

 大雑把にどんな物語か書くと「本編のアーデンがどのようにして形成されたのか」という話です。FF15本編では深く語られることのなかったアーデンの壮絶な過去が遂に明らかとなります。

 これを見る前と後では、アーデンに対して抱く感情が随分と違ったものになると思います。

 

Epアラネア「終わりの始まり」

 ここではタイトルの通りアラネアに関する話です。時系列的には本編12章でノクト達がテネブラエに到着する前の話。正直、Epアーデンと比べるとシリアス度は低いです。ただここで、本編には登場しなかったキャラクター、ソラーラ・エルダーキャプト・アンティクム、通称ソルが登場します。

 このソルというキャラクター、本編では登場しませんでしたが小説版では結構な重要キャラです。この後のEpルナフレーナでの主要キャラとなります。(FF15に詳しい人なら、名前からソルの素性がなんとなくわかるかもしれません)

 

Epルナフレーナ「自由への選択」

 ここからがこの本の本番といったところでしょうか。タイトルの通り、ルナフレーナに焦点を当てた内容となっています。

 時系列的には、本編でノクトが10年の眠りから醒める少し前。オルティシエでアーデンの凶刃に倒れたルナフレーナが、神からの新たな使命を受けて生き返ります

 一度死んだキャラが生き返ると物語が一気にチープなものになってしまうのでは? そう思う方もいると思います。確かにただ何の伏線もなく生き返ることになるとチープなものになってしまうでしょう。ですが、ここでのルーナ復活には伏線がしっかりとあります。

  エピソードイグニスでレイヴス将軍が「神凪は死してもその使命から解放されることはない」と言っています。生前のルーナの使命は「神の声を聞き、王を支える」といったものでした。しかし、彼女の使命はオルティシエで水神との誓約を終えたると同時に成し遂げたはずでした。しかし、剣神バハムートによりルーナに新たな使命が課され、それを全うするために彼女に再び生命が与えらることとなりました。

 つまり、生きるも死ぬも神次第ということです。

 ここで大切なのは彼女が与えられた新たな使命です。ここではネタバレを避けるために書きませんが、ルーナに与えられた新たな使命は彼女の運命だけで無く、ノクトや星全ての命運を左右するほどのものでした。

 

Epノクティス「最後の剣」

 10年の眠りから目醒めた直後のノクトの話となります。クリスタルに取り込まれた状態から始まり、クリスタルの中でノクトが何を見たのかが分かります。そしてクリスタルの外に出る。しかし、その先の展開は本編で語られたものとは大きく異なっています。アーデンの選択、ルナフレーナの選択により運命の歯車が違う動きを始めていたのです。

 具体的にどう違うかというと、目を醒ましたノクトが最初に出会う人は本編ではタルコットでしたが、小説版ではソルとなっています。さらに、ノクトはイグニス達と再会するのを待たず、アーデンが待つ王都に一人で向かいます。

 ここだけでもFF15本編とはだいぶ違った展開であることが分かります。

 運命に抗い始めたノクト達がどんな結末を迎えるのか、それは是非ご自分の目で確かめてください。

 

 

 

 

ネタバレ有りで見る

Epアーデン「聖者の迷い」

 神からシガイをその身に取り込む力を与えられたアーデンは、シガイに悩む民を救うのが神から与えられた自分の使命だと考え、出来る範囲でその身にシガイを吸収していく。一方、弟のソムヌスは兄アーデン一人ではシガイを全て消し去ることは難しく、シガイは全て殺してしまえばいいという考えを持っていた。

 衝突する二人。かつては親しかった二人の兄弟はやがて互いを疎むようになっていった。そして、ソムヌスはある企みを考えつく。

 アーデンを王の座に。神凪でありアーデンの恋人でもあるエイラは、神々のお告げを聞いた。ソムヌス派から追われる身であったアーデンは王の座への内定を受け、ソムヌスの前に姿を現す。アーデンの姿を見たソムヌスは剣を抜き、アーデンに斬りかかった。咄嗟にアーデンをかばおうとしたエイラが、アーデンの代わりに斬られ、倒れる。

 卑劣なソムヌスに天罰を。瀕死のエイラを抱えアーデンはクリスタルに触れる。しかし、クリスタルはシガイに汚染されたアーデンを拒み、エイラもろともアーデンを弾き飛ばした。その後、魂を対の世界に囚われたアーデンは不老不死となり2000年の時を幽閉されて過ごす。

 2000年後、二フルハイム帝国のヴァーサタイルにより解放されたアーデンは、ソムヌスへの復讐の想いを込めて、帝国と手を組んでルシスを滅ぼすことに決める。

 王都に忍び込むことに成功したアーデンは、王レギスの命を絶とうとする。が、思わぬ存在によって止められる。それは剣神バハムートだった。

 そこでバハムートは衝撃の事実をアーデンに告げる。

「お前の使命は王を殺すことではなく、世界に闇を広げること。お前は真の王に殺される生贄であり、それが定められし運命である」とバハムートは告げる。

 全てを知り、怒りに震えるアーデン。人々をシガイから救うことはアーデンの使命ではなく、むしろその逆であった。ソムヌスの裏切り、エイラの死も真の王に殺され生贄となるため神が定めた運命だった。

 淡々と運命を告げるバハムートに、アーデンは神が定めた運命には従わないと宣言する。

 

  ソムヌス外道過ぎるだろ。それに対して昔のアーデンはまさに聖人。本編で語られるアーデンからは想像出来ないほどの聖人っぷりです。

 アーデンが運命に従うのかどうか、これが本編との分岐点となっています。

  • 運命に従うのなら本編と同じ結末へ。
  • 運命にあらがうのなら小説内で語られる別の未来へ

 ノクト達の未来がどうなるか。全てはアーデンの選択に起因することになります。もう実質FF15の主人公です。

 弟に裏切られ、神に裏切られて復讐を心待ちに2000年生きた上で、生贄になるために生まれてきたのだと告げられるアーデン。

 そりゃつれぇでしょ。

 

Epアラネア「終わりの始まり」

 二フルハイムの帝都壊滅時、准将ロキは皇帝イドラの命を受けて1人の少女を保護した。少女の名は、ソラーラ・エルダーキャプト・アンティクム。皇帝イドラ・エルダーキャプトの孫娘だった。

 戦いの最中、ロキからソルの身を引き受けたアラネアはビッグス、ウェッジと共に彼女を育てていくことに。

  ゲームでは登場することのなかったイドラの息子の隠し子、ソルが初登場します。アラネアが帝国軍人を退役することとなった経緯とその後の彼女たちが描かれています。

 何より、母親としてのアラネアの姿が描かれていたのが良かったですね。なんとなく将来良い母親になるだろうなと思っていた通り、良い母親してました。

 

Epルナフレーナ「自由への選択」

 本編ではオルティシエでアーデンに殺されて以来記憶の中でしか登場しなかったルナフレーナですが、ここでは神から新たな使命を授かると同時に、2度目の命を授かりノクトが眠りについてから10年が経とうという時に蘇ります。

 ルナフレーナが剣神から新たに授けられた使命は「真の王に代わり、運命に背いたアーデンを倒す」こと。そのために剣神はルナフレーナにアーデンを倒すために力、シガイをその身に吸収する力を与えた。同時に、ルナフレーナは真の王の使命の結末を知る。

 世界を闇から救うため、ノクティスを生かすため、新たな使命を胸にルナフレーナは闇に包まれた世界をソルと共にバイクで旅をする。

 旅をする中で何度もシガイと遭遇した。そのたびにルナフレーナは神から授かった力でシガイをその身に取り込んでいった。しかし、神凪の力を持ってしてもシガイの力を完全に消し去る事は出来ずルナフレーナの身は、かつてのアーデンと同じく徐々にシガイに毒されていった。

 遺跡の調査に向かいそこでシガイに破れたアラネア。ルナフレーナ達が助けに来たとき、すでにアラネアのシガイ化は始まっていた。アラネアを助けるため、彼女のシガイをその身に引き受ける。アラネアはシガイから解放され無事だったが、ルナフレーナはそうではなかった。溜め込みすぎたシガイの力は抑えきれず、ついにルナフレーナの外見はシガイのそれと化した。正気を取り戻したアラネア達にシガイと判断され殺されそうになるもソルが皆を説得し、ルナフレーナは手足を拘束されて囚われるだけに済んだ。

 意識を失っている最中、ルナフレーナはゲンティアナと再会する。そこでゲンティアナはルナフレーナに伝える「剣神を信じるな。あなたの使命はアーデンを倒すことではない」と。剣神はシガイの力を集めたルナフレーナを生贄に究極召喚(テラフレア)を発動し、人間もろともこの星を破壊しようと企んでいるという。剣神への怒りを抱くルナフレーナ。

 彼女は一人で王都インソムニアへ向かう。だが、もはや彼女の目的はアーデンを倒す事ではなかった。ルナフレーナは、かつて自分を殺した男アーデンに言う。

「私に、協力していただけませんか?」

 

 神凪として神を信仰していたルナフレーナが神と離反し、本編のラスボスであったアーデンに協力を申し出る。本編を知っているから尚更アツイ展開です。

 それよりも本編では出番が少なかったルナフレーナの事を良く知れたのが嬉しいです。本編でもう少しルナフレーナの出番を多くしてくれればなあ……

 それよりルナフレーナが真の王が使命を果たした後どうなるのか知らない事に驚いた。てっきり知ってるもんだと思ってたから。それにしても、命を賭けてまで運んだ指輪のせいでノクティスが命を落とすことになると後で知らされるってツラすぎだろ……

 

Epノクティス「最後の剣」

 クリスタルに取り込まれたノクトは10年の間に、2000年の記録を見せられる。

アーデンの過去、歴代の王の一生、ノクトの知らなかったルナフレーナ、イグニス、そして父レギスの想い。

 全ての人の思いを知ったノクトに剣神は真の王の運命を告げる。自らの運命を知り、死を恐れるノクト。だが、2000年の歴史を見せられたノクトに全てを捨てて逃げ出すという決断はできるものではなかった。

 Epノクティスのネタバレはあえてここまでにします。アーデンの選択、ルナフレーナの選択がノクトたち星の運命をどう変えたのか。是非本を購入して確かめてください。

 

 

 

 

 

 

おわりに

 本編とは違う結末が味わえるFF15の小説。オススメはKindleのデジタルスペシャル版です。

 このバージョンだと限定のアートブックが付属します。単行本のスペシャル版が購入できればそれが一番なんですが、現在スクエニの公式ストアでもAmazonでも販売されていません。

 頼む、再版してくれ……

 (通常版と小説自体の内容は変わりません)

アイカツスターズを見た

 記事のタイトルから分かる通り、つい先日アイカツスターズ全100話を見終えました。

 オンパレードが始まったこのタイミングでなぜスターズなのか? その理由は、オンパレードを最大限に楽しむためです。仮にもアイカツおじさんを自称しておきながら、今まで初代アイカツ以外に触れてきていなかったのです。

 以下、アイカツスターズを視聴した感想を書いていきます。

f:id:buluck:20191220035719j:plain

スターズを見始めるまで

 初代アイカツ(以下「無印」とする)を見た後、すぐにスターズの視聴を開始しなかったのはどうしても無印の影を、星宮いちごを初めとする無印勢を自分の中で過去にしたくないという想いからでした。無印ではない、別の空間で別のキャラ達の「アイカツ」を知りたくなかったのです。

 その結果、無印が最終話を迎えてから3年もの間僕の中でのアイカツは時を止めていたのです。(実は、アイカツを終わらせるのが怖くて最近まで無印の最終話も見れていませんでした)

 

 ですが、つい最近オンパレードの情報が公開されました。そこには3年の時を経てもなお生きているいちごちゃんの姿がありました。いちごちゃん達のアイカツは続いていたのです。

 3年以上振りに新たな物語を繰り広げる無印勢の姿を見ることが出来る! そう意気込んでおきながら結局オンパレードが放送開始されるも僕はオンパレードを視聴出来ずにいました。

 なぜか。それは、僕自身にオンパレードを準備が出来ていなかったのです。

 オンパレードには無印勢だけでなく、当然の事ながら他のアイカツシリーズのキャラクター達も登場します。なのに自分は無印勢の事しか知らない。そんな状態でオンパレードを見て楽しめるのだろうか。否、楽しめない。頭の中で僕はそう結論づけました。

 そうして僕は遂に重たい腰を上げ、無印の最終話を見、スターズの視聴を開始しました。

 

 懸念した通り、最初は大きな違和感がありました。

 自分の中でアイカツは「星宮いちご」を核としていたので、その核が欠けた状態でのスターズはどう立ち回るのか。そんな不安のような気持ちが心の内を渦巻いていました。

 ですが、そんな不安も話数を重ねる内に自然と消え去っていました。

 

無印とは違う

 良い意味で、スターズは無印と異なっていました。

 最初に驚いたのは「主人公と同年代の男キャラが居る」ということでした。1話からモブではないイケメンの男キャラが登場しました。

「おいおい、アイカツで男女の恋愛を描いてしまうのか!?」

 無印では男女の恋愛関係は全くというほど描かれていなかったので開幕から大きな一撃を貰うことになりました。しかも、途中から男キャラにガチ恋勢の主要女キャラが登場するなど驚きの連続でした。

 ですが、100話通して見てみると男女の恋愛模様は決して強すぎる事は無く、ほどよい物語のスパイスになったのかなと感じました。

 

 もう一つ驚いたのは、残酷なほどの実力社会だという事です。

 スターズの世界で、主人公達は最初S4という学園のトップアイドルの座を目指して切磋琢磨をするのですが、その選抜戦などでの描写がなかなかにエグい。

 無印でもスターライトクイーンで学園トップの座を賭けて争う事はありましたが、その争いに負けても皆笑顔でいた記憶があります。ですが、スターズでは争いに負けたアイドルが涙を見せるシーンが多々ありました。

 無印だけの印象でアイカツの世界は優しさに溢れて悔し涙とは縁遠い世界だと思っていたばかりに、スターズで見せた主人公達の涙は驚きでした。

 また2ndシーズンから登場するパーフェクトアイドル、エルザ フォルテ。一見神崎美月のような存在かと思いきや、彼女の見せる言動はどれも厳しい。能力的に見込みのないアイドルは即刻退学処分にするなど、厳しすぎる彼女の言動には大いに驚かされました。

 

 このように色々な面で無印とは違っていました。

 仲間たちと協力しながら互いに高め合うのが無印なら、個人個人で能力を高め競い合うのがスターズというのが僕の中での大雑把なイメージです。

 

やっぱり曲が良い

 アイカツといったら語るに外せないのが、楽曲の良さ。それはスターズでも変わりませんでした。

 上で語った通り、スターズの世界は現実の厳しさを逃げる事無く描いた作品であり、それは曲の歌詞にも反映されていると感じました。

 何より心に響いたのは最初のOPである「スタートライン!」の歌い出しの歌詞

夢は見るものじゃない 叶えるものだよ

  すごく好きです。

 夢は頭の中で描いているだけのものだけではなく、現実に行動を起こして自分で夢を現実のものにするのだ、というメッセージが胸に響きます。この曲を聴くたびに毎回、開幕で涙腺が崩壊しかけます。

www.youtube.com

 

 

 このほかにも4つめのOP「STARDOM!」のサビの

きれいな物だけ 見るんじゃなくて 全部抱きしめて

  この歌詞がスターズの世界観を物語っている気がします。

www.youtube.com

 この他にもたくさんの曲があります。Apple Musicで聞けるのでぜひ。

 

 あと言い忘れたんですけど、スターズは序盤のほうのライブでサビ入るときの、ゆめの目のドアップカットイン演出が熱い。定番ですがやっぱり「おおっ」と盛り上がります。だけど、物語後半になるとカットイン演出は使われなくなってしまいました。どうして……

 スタープレミアムレアドレスを手に入れる瞬間にカットインが入ったらもっと盛り上がった思うんだけどな。

 

終わりに

 無印とスターズを見て、どっちが面白かったと聞かれると答えに困ります。どちらも当然面白いです。ですが、面白いのベクトルが少し違う気がします。

 やさしさにあふれた癒しを主体として求めるなら無印。

 厳しい世界にありながらそれでも輝き続けようとする、スポ魂のような手に汗握るストーリーを主体として楽しみたいならスターズ。

 僕はこう結論づけました。

 

 さて、次はフレンズを見るぞ。

誰しもがヒーロー「レゴムービー」

 10月31日、ラブプラスEveryがリリースされました。早速プレイするも緊急メンテ。暇を持て余した僕はNetflixで一つの映画を見ることにしました。

 選んだのは「レゴムービー(2014)

f:id:buluck:20191031185331j:plain

 

なぜ「レゴムービー」なのか?

 以前から「面白い」という評判は耳にしていたということが大きいです。これまで、レゴというものが子供の遊ぶ玩具だという先入観が強く、いくら面白いと言われても映画を見ようという気にはなりませんでした。ですが、レゴの映画の評価などを見ると総じて高評価を得ています。ここまで評価されるのなら、ものは試し、見てみるのが早いだろうと今回視聴に至りました。

 

始まりは平凡に

 この映画の主人公は「エメット」と呼ばれる一人の平凡な現場作業員。社会の歯車の一部として、文字通り機械的にマニュアル通りに動く自他共に認めるマニュアル人間です。ひょんな事から「秘密のパーツ」と呼ばれる世界を救う力を秘めたパーツを手にしたエメットは、おしごと大王率いる悪の組織に捕まってしまいます。おしごと大王の目的は「世界のマニュアル化」独創性の無い均一で完璧な世界を理想とし、それを実行しようとしています。

 拷問により苦しむエメットを助けたのはワイルドガールと名乗る謎の女性。ワイルドガールに連れられ、エメットは世界を隔てる境界の壁を越え、未知の世界へと冒険の旅に出る。

 

 簡単にあらすじを書くとこんな感じです。

 

特別な存在は居ない。誰もが特別なのだから

 主人公のエメットは秘密のパーツを手にしたことから、予言に出てくる「選ばれし者」だと言われます。しかし、彼には特別な力は何一つありませんでした。これまでマニュアル通り生きてきた彼を「選ばれし者」たらしめるのは秘密のパーツを手に入れたという事実のみ。それを手に入れたからといって、エメット自身が何か変わることはなかったのです。周囲の仲間達もエメットの無能さを目の当たりにし、彼は本当に選ばれし者なのかと疑念を持ち始めます。

 エメットの仲間達は、マスター・ビルダーと呼ばれる非常に創造性の高い者たち。その中でエメットの創造性の無さは際立ちます。

 そして彼らはおしごと大王が差し向けた追っ手から逃げるため、協力して潜水艦を造り上げて水中へと姿を隠します。しかし、マスター・ビルダー達が造った潜水艦は途中で水圧に負けて壊れてしまいます。崩壊する潜水艦の残骸のなか、その中で唯一、能なしと言われたエメットが造った二段ソファだけが原型を留めていました。

 そこでエメットは気がつきます。マスター・ビルダーである彼らには無くて、自分にある長所を。

 エメットは確かにマニュアル通りに動く独創性の無い平凡な存在でした。けれど、彼の作る物は画一的でありふれたものでしたが、それは役に立つもので意味がないものではなかったのです。マニュアル通りできっちりと作られた物だからこそ、確固としたものであり人の役にたつ。自分はその点において、他の仲間たちとは違う特別なんだと彼は気づきます。

 

 ここで語られるのは、一見平凡な人に見えても見方を変えれば特別な存在であるということです。それはエメットにだけ当てはまる事ではありません。同僚として一緒に働いていた仲間、同じ街に暮らす見知らぬ人。彼らもまた、人とは違う個性を持った存在なのです。たとえ能力に差はあれどそこに貴賤はない。この映画が言いたいのはそういうことだと思います。

 

 そしてこの映画が素晴らしいのは、それは物語の中に限ったことではないということを描いている点にあります。(ユアストーリーはこの映画を見習うべきだった……)

おわりに

  思っていた以上に素晴らしい映画でした。ただ物語が面白いだけではなく、人の心に訴える何かがある。傑作と呼ばれる作品は、この両方を兼ね備えていなければならないのだと実感しました。

 この「レゴムービー」には続編や様々なスピンオフ作品が存在しています。これから、他のレゴ作品も見てみたいと思います。