多趣味な男のブログ

興味を持った色々なことについて書いていきます。

映画「ヴェノム」について

 現在劇場公開中の映画「ヴェノム」皆さん見ましたか?

 ツイッター上で様々な宣伝が成されており日本トレンドにも何度か入っていたので、名前だけは知ってる人も多いのではないでしょうか?

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 アメコミ映画が大好物の僕は、公開日初日に観に行ました。朝イチに行くも、チケットを間違って購入してしまい、げき萎えする事件はありました。その後、新にチケットを購入して、無事に観ることができました。

作品概要

 この映画の主人公は、原作コミックではスパイダーマンと敵対関係にある「ヴェノム」というキャラです。
 このヴェノムというキャラは、サム・ライミ監督作品「スパイダーマン3」で登場していたこともあり、なんか見たことがあるという人もいると思います。その際には、スパイダーマンスーツに寄生して、ブラックスパイダーマンになったりしていました。間違いの無いように言っておくと、そのヴェノムと今回のヴェノムは無関係です。さらに言うと、スパイダーマンに関係するキャラなのですが、現段階ではトム・ホランド演じるスパイダーマンや他のマーベル作品とは関わりがありません。ということはこの作品は、これ一本で完結しているので、マーベル作品知らんって人でも問題なく観ることができます。
 
 

映画本編を見て(以下ネタバレを含みます)

 2時間近くの上映が終わり思ったことは、“なんか違う”でした。
 “なんか違う”というのは、僕が思い描いていたものと違うということです。
 
 ヴェノムの外見、は黒くてウネウネしていて、鋭いキバがいっぱい生えていたりとかなりグロテスクなビジュアルをしてます。そして、そいつが主役の映画ときたら、かなりダークな内容を想像しますよね? 少なくとも僕はそうだと思っていました。
 
 しかし蓋を開けてみるとびっくり。想像していたものとは大きく異なっていました。ヴェノムに寄生された主人公エディが破壊衝動抑えきれずに街中で暴れてしまうが、その感覚が病みつきになってしまう自分とそれを受け入れたく無い自分が入れ混ざり葛藤する、という様なものを期待していました。(かなりありきたりな展開ではありますが、奇をてらって失敗するよりかは良いと思う)
 
 序盤から中盤にかけては良かった。
 ヴェノムに寄生されたエディが、溢れる食欲を抑えられず襲ってくる敵をヴェノムの力を利用して倒したり。その流れでうっかり敵の頭を丸齧りしてしまったり、と。これだよこれ、もっと暴れてくれ! ポップコーン貪り食べながら、期待に胸を躍らせました。
 中盤でエディは、ヴェノムを体から引き剥がすことに成功します。ヴェノムから解放されたエディはこれで一安心かと思いきや、ヴェノムを欲しがる連中に拉致されてしまいます。この時点で、おや? という感じでした。
 そして、この先どうなるんだと思っていると、囚われたエディの元へヒロインに寄生したヴェノムが助けに来ます。おやおや?
 その後、エディに再び寄生したヴェノムは、エディを拉致した連中を倒すことにします。拉致した連中の中にはヴェノムと同族の仲間がいます。彼らは人間に寄生して支配し、地球を植民地にするのが目的なのです。
 ヴェノムも本来は地球侵略が目的だったはずなのですがあっさりと仲間を裏切り、エディと協力して地球を守ろうとします。それに違和感を覚えたエディは、ヴェノムに理由を問います。その答えが「地球が気に入ったから」。なんか軽くない? 
 
 ヴェノムは同族の中でも特段強いというわけではなく、劣等感の様なものがあった。エディという適合率が高い極上の宿主を見つけた。色々な事情があると思いますが、それでも軽すぎる気がします。もっと納得のいく理由が欲しかった……
 
 そして、最後の戦闘シーン。ライオットと呼ばれるヴェノムたちのリーダー的存在とヴェノムは戦うことになります。ライオット単体の戦闘力が非常に高いようで、ヴェノムは終始押され気味です。エディという優れた宿主を有していても実力差は覆らない……
 結果としては、ライオットが乗ったロケットをヴェノムガ爆破することで幕を下ろします(単純に力で勝てないからそうなるのはわかるけど、爆発オチかい)。その後にエピローグ的なシーンがあって本編終了です。
 そのエピローグの中で、ヴェノムはなんの躊躇いもなく強盗犯を食べてしまいます。そしてエディは、ヴェノムに向かって「悪人は食べていいけど、善人はダメ」と説教します。その考えは良いんだけど、その考えに至るまでの葛藤を描いて欲しかった……
 
 僕は、小学生の頃に見た「スパイダーマン3」でヴェノムを知りました。原作コミックは読んだことはありませんし、特段ヴェノムというキャラについて詳しいわけではありません。それでも小学生の頃の記憶では、心優しいスパイダーマンがヴェノムのせいで力に溺れてかけた、り残虐性を持ったりと、ヴェノムという存在は純粋悪だというイメージを持っていました
 そのヴェノムが主役の映画が公開されるとなり、かなり期待していました。iphoneのホーム画面をヴェノムのポスターにするほどです。
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僕のiphoneのホーム背景
 
 それがなんですか。ヴェノムとエディは馴れ合ってるし。ヴェノムがヒーローみたいになってるし。最後の戦闘シーンはよく分かんないし(ヴェノムとライオットの見た目が似てるし、両方グニョグニョ変形するからどっちがどっちが分かりづらいんです)。
 僕はもっと暗くて陰鬱とした雰囲気の作品を見たかった。エディとヴェノムが仲良く共闘するんじゃなくて、利害関係の一致でお互いに利用しあう姿が見たかった。そのプロセスを経てある種の信頼感が生まれるとか、そういうのが見たかった。
 
 ツイッター上でのプロモーションを見た時点で、少し違和感はあったんですよね。この作品にそんなフランクというか、軽々しいノリの宣伝文句で合ってるのか、と。ヴェノムについて全く知らないという人に知ってもらうという観点からは良いのかもしれません。ですが、違和感を抱かずにはいられませんでした。ついには嫌気がさして公式アカウントのフォローも外してしまいました。
 

 良かった点

 色々不満点を書いてきましたが、全てに不満があるわけではありません。これは良いなと思ったシーンもいくつかあります。

 まずは、すでに述べましたが、序盤から中盤にかけての描写。これは非常に素晴らしいと思いました。
 エディが、目に見えない未知の存在に体の自由を奪われ、それを自分の意思で止めることができない、という描写です。もし自分がそんな目にあったらと想像するとゾッとしてしまいます。ここのところが上手く表現されていて、恐怖を感じさせられました。
 
 そして次にヴェノムの力を利用したカーチェイス。ヴェノムを狙う連中が、バイクで逃げるエディを追いかけてくるのですが、液体状であるというヴェノムの性質を上手く利用したシーンがいくつかあり、そういうこともできるのか!と驚く場面がいくつもありました。また、スパイダーマンのウェブシューターの様に、糸状に伸ばした触手で物を掴んだりするシーンがあったり。スパイダーマン好きの人間としては、ついニヤリと顔が綻んでしまいました。
 
 

まとめ

 良い点も書くと言っておきながら、不満点と比べて分量が明らかに少なくなってしまい申し訳ないです。どうしても言いたいことがあったんです。これが悲しき人間の性。
 
 「ヴェノム」を10点満点で評価するとしたら7点です。色々と気になることはありますが、ヴェノムが主役の映画が観れて嬉しいです。
 重ねて強調しておきますが、この記事で述べていることは全て“個人的”な感想です。僕が勝手に期待して、思ってたのと違うからと勝手にガッカリしてしまっただけのことです。決してこの作品がつまらなかったと言いたいわけではありません。そこは誤解のないように。 その証拠というのも変ですが、多分少なくともあと1回は劇場に観に行くと思うし、BDも買います。
 
 この記事を読んで、気になった方は是非劇場に足を運んでみて下さい。百聞は一見に如かず、自分で見てみるのが一番いいです。
 最後に一言、エンドクレジットが完全に終わるまで席を立たないことをお勧めします。マーベル作品のお約束がありますので。